20|『キッチン・コンフィデンシャル』
ここでは料理人がルールだ
レストラン業界のインテリジェンスとは
CIA(米国料理学院)出身の異色シェフ(なにしろ2冊の傑作犯罪小説の著者でもあるのだ)がレストラン業界内部のインテリジェンスをあばく。2001年に初版が出るや、たちまちニューヨーク・タイムズ紙がベストセラーと認定し、著者は自分の名を冠したテレビ番組のホストという栄誉を得(その後離婚と再婚もした)、料理のセクシーさに目覚めた(血迷った)読者をしてかたぎの職場を捨て去りコックの門を叩かしめた(という実例を私は知っている)、男子一生の進退を左右してやまない自伝的実録。「月曜日に魚料理を食べるな」「グローバルのシェフナイフ一本あればいい」など、役立つ知見を含む極上の読み物を人気の野中邦子訳でおくる。
- 書 名:キッチン・コンフィデンシャル
- 著 者:アンソニー・ボーデイン
- 翻 訳:野中邦子
- 装 画:豊田卓
- 仕 様:四六判(190 × 129 × 24.4ミリ)360頁
- 番 号:978-4-907511-00-5
- 初 版:2015年3月15日
- 定 価:1,850円+税
も く じ
前菜
シェフからひとこと
ファーストコース
料理には魔力がある/料理はセクシーだ/料理は苦痛である/CIAの内側/見習いコックの逆襲
セカンドコース
料理をするのは誰だ?/キッチンからテーブルへ/プロのコックはいかにして料理をするか/オーナーズ・シンドロームとその他の症例/ビッグフット
サードコース
一人前になる/ハッピータイム/未来のシェフ!/地獄の黙示録/荒野の日々/肉についてなにを知っているか/ピノ・ノワール――イタリア料理修業
デザート
シェフの一日/スーシェフ/キッチンでの話題/その他の仲間たち/パン職人のアダム/人材について
コーヒーと煙草
ブライアンの生き方/ミッション・トゥー・トーキョー/「で、シェフになりたいんだって?」――学位授与のスピーチ/キッチンはクローズしました
訳者あとがき
著 者 略 歴
Anthony Bourdain〈アンソニー・ボーデイン〉 シェフ、作家。1956年、ニューヨーク市に生まれる。コックを志し、米ヴァッサー大学を中退。78年に米国料理学院(CIA)を卒業。サパークラブ、ワン・フィフス・アヴェニュー、サリヴァンズなどニューヨーク市内の有名レストランで働き、98年にブラッスリー・レアール総料理長就任。その間、95年に犯罪小説『シェフの災難』、97年に『容赦なき銃火』を発表し、執筆活動を開始。99年、ニューヨーク外食業界の内実をえぐる記事「読む前に食べるな」をニューヨーカー誌上に発表し話題を呼ぶ。反響冷めやらぬ2001年の自伝的実録『キッチン・コンフィデンシャル』は、28ヶ国語以上に翻訳され、各国でベストセラーとなる。翌02年、米フードネットワークの番組「A Cook’s Tour」に出演し、完璧な一皿を求めて世界を旅する。この体験を綴った『クックズ・ツアー』が再びベストセラーに。料理人が各国を旅し食するという企画は人気を博し、その後「ノー・リザヴェーション」No Reservasions 、「レイオーバー」The Layover とテレビ出演が続く。現在は、米CNNの旅行番組「パーツ・アンノウン」Parts Unknown に出演するほか、米ABCの料理対決番組「ザ・テイスト」The Taste 審査員も務める。妻オッタヴィア、娘アリアーネとともにニューヨーク市在住。
訳 者 略 歴
野中邦子 〈のなか・くにこ〉 翻訳家。1950年、東京に生まれる。多摩美術大学絵画科卒業。出版社勤務を経て翻訳家に。主な訳書に、A・ボーデイン『キッチン・コンフィデンシャル』『クックズ・ツアー』、R・ヘンライ『アート・スピリット』、A・ウォーホル『ウォーホル日記』(中原佑介共訳)、J・サックス『貧困の終焉』(鈴木主税共訳)、同『地球全体を幸福にする経済学』、ソロスほか『世界は考える』がある。
書 評
一人の若者の成長物語でもあり、仕事に対する情熱にこちらも熱くなる
山下優(青山ブックセンター)
Soup
料理人を神格化して上澄みばかりを描く料理評論家よりも、料理人自身の本音が面白いに決まってる
平野紗季子
Numero TOKYO
言うなれば、「ものすごく長い」トーキング・ブルースのようなもの
川崎大助
ハニカム、2015年5月18日
笑って、泣いて、魅了される
デンバー・ポスト
一度手にしたが最後、黙って読んでいることはできず、同僚の顰蹙もあらばこそ職場で本書の一節をひけらかしたくてたまらなくなる
USAトゥデイ
キッチンの内側で起こっている真実を伝える風変わりな見聞録
ニューズウィーク
著者はレストラン業界のベールをはがし、舞台裏の身の毛もよだつ実話を嬉々として語る
ニューヨーク・タイムズ
機知と悪ふざけを込めつつ、シェフやレストラン関係者が目を背けたくなるような業界の秘密をあばいてしまった
レストラン・ビジネス
抗しがたい魅力。才気あふれる文章とキッチン独特の符牒が心を捕らえる
サンデイ・タイムズ
山盛りのフライドポテトとアイオリソースを目の前にしたときのように舌鼓を打つ
デイリー・テレグラフ
まさに規格外。曇りのない機知と明快さで書かれ、フードライターを称する人びとも脱帽せざるをえないだろう
オブザーバー
北青山チャンネルで紹介されました
こんな本を読んでいる方に
- キャパ『ちょっとピンぼけ』1956年
- 伊丹十三『ヨーロッパ退屈日記』1965年
- ロジャーズ『大投資家ジム・ロジャーズ世界を行く』1995年
- ボーデイン『シェフの災難』1995年
- 同『容赦なき銃火』1997年
- 同『キッチン・コンフィデンシャル』2001年
- 同『Typhoid Mary』2001年
- 同『クックズ・ツアー』2002年
- 同『Les Halle’s Cookbook』2004年
- 同『はみだしシェフの世界やけっぱち放浪記』2006年
- 同『No Reservations』2007年
- 同『Medium Raw』2010年
(番外)映画「ディナーラッシュ」2001年
『キッチン・コンフィデンシャル』取扱店(92店)
- 『キッチン・コンフィデンシャル』納品先を、電話番号順で一覧にしました
- 上記掲載店にかぎらず、全国の書店でお求めいただけます
- 納品数は、「★」ひとつが2〜3冊の目安です
- 「★★★」の店は、7冊以上を納品しましたので、品切れのおそれが少ないと思われます
- 納品20冊を超える協力店は、「特★★★」と示しました
土曜社 doyosha [at] gmail.com