さて、引き続き、『日本脱出記』の制作を進めています。
本書は、関東大震災直後の驚くべきベストセラーなんです。
1923年(大正12年)10月25日に初版1万部で発売されると、たちまち増刷を重ね、自分の手元にある原書では、「大正12年11月5日 20版」となっています。
発売後わずか10日間あまりで、20刷というのは、まさに快挙。
震災直後で紙の調達や印刷所の確保も困難だったでしょうし、現代のような販売データ網もない時代のこと。
この短期間で増刷を重ねて行った版元アルスの決断には感嘆してしまいます。
そのアルスが発売直後に出した新聞広告(「読売新聞」1923年11月1日)には、こうあります。
「初版壹萬即日賣切増版續々出來」
土曜社版もこうありたいと思うしだいであります。
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