続『日本脱出記』書店展開の図

メーデーです。

 

1923年5月1日、大杉栄はパリのサン・ドニで激烈な演説をおこない、フランス当局に身柄を拘束されます。

 

演壇近くにいた四十ばかりの一人の女工らしいのが涙を流し流し、泣き声で「セエサ、セエサ」(そうです、そうです)と叫んでいた。

(大杉栄著『日本脱出記』より)

 

 

数年前のことです。

当ブログの筆者はサン・ドニで、ブラジルの歌手タニア・マリアのコンサートをみたことがあります。

 

激しくピアノをたたき、ユニゾンで歌う。

大股を開いたスカートの下はなにもつけていない——、という記事を日本で読んでいたのですが、恐らくそんなこともなく、コンサートは白熱して無事に終えたものです。

 

ごく個人的な感慨で恐縮ですが、ぼくにはこの『日本脱出記』の女工がどうしてもタニア・マリアの印象と重なってしまうのです。

 

 

さて、そんな無駄口はともかく、『日本脱出記』を販売してくれている勇気ある書店を本日もご紹介します。

 

 

◉ジュンク堂書店 池袋本店(日本思想・近代)

現代思潮社版『大杉栄選』店頭在庫がめずらしい。同店1Fの集中レジは長蛇の列。活況です。
現代思潮社版『大杉栄選』店頭在庫がめずらしい。同店1Fの集中レジは長蛇の列。活況です。

◉芳林堂書店 高田馬場店(日本思想および日本近代史)

『美少女伝説 レポート1968慶応大学の青春』(情況新書)がみえる。高田馬場は慶應関連も意外な売れ筋とのこと。
『美少女伝説 レポート1968慶応大学の青春』(情況新書)がみえる。高田馬場は慶應関連も意外な売れ筋とのこと。
高田馬場店では思想と歴史の2箇所で展開。後藤新平 - 杉山茂丸 - 頭山満 - 伊藤野枝 - 大杉栄という人脈がすけてみえる。
高田馬場店では思想と歴史の2箇所で展開。後藤新平 - 杉山茂丸 - 頭山満 - 伊藤野枝 - 大杉栄という人脈がすけてみえる。