大杉栄の『日本脱出記』が「ハニカム」に登場!

いきなり宣伝です。

 

 

ついに、『日本脱出記』が人気ウェブマガジン「ハニカム」に登場しました。

 

ウェブマガジン「ハニカム」

関東大震災直後の問題のベストセラーが、ペーパーバック版でいま蘇る。

 

 

ここで、当ブログの筆者の、ごく私的な感慨を記すことをお許しください。

なんでもないことなので、お急ぎの方は、ぜんぶすっ飛ばしていただければ幸いです。

 

 

三重県の高校生だった頃——、

 

隣町の学校から帰宅すると、毎晩やるべきことを官製はがきみたいな紙切れに書き出して、一つ一つこなしては赤いペンで消していくという奇妙な習慣がありました。

 

思えば、稚拙な「TO DO リスト」だったかもしれません。

 

それにしても、毎晩、自宅の部屋のほかに行くところもなく、味気ない高校生活だったものです。

 

でも、そこは前途洋々たる十代の若さで、その単なる紙切れは、ある若気の工夫によって光り輝いていました。

 

その紙切れに、あこがれの人物の名前を日替わりで冠していたんですね。

 

「このリストをぜんぶこなせば、俺も彼のようになれるんだ」と。

前途洋々たる高校生は、毎晩、まじめにそう考えていたんです。

 

いったい、数学やら日本史の参考書を読むこととミック・ジャガーへのあこがれにどんな種類のつながりを見いだせたものか、いまとなっては理解に苦しむのですが、きっと純粋だったんですね。

 

高校の3年間で、紙切れは、ゆうに500枚を超えていました。

 

どんな人物の名前を書き出していたかは、もうすっかり忘れてしまいました——、

というのは嘘で、何人かの名前はちゃんと覚えているのですが、そっとしておこうと思います。

 

 

さて、本題に戻ります。

 

そんな、たっぷり時間のあった高校生の夜に、独りで大切に読んでいた雑誌が『米国音楽』でした。

 

当時の編集長・川崎大助氏による一節はいまも忘れません。

「クラプトンのアンプラグドでも聴いていろ——」

 

前後の文脈は忘れてしまったのですが、成熟や安定なんてくそくらえというような文意だったと覚えています。

 

 

その川崎大助氏による今回の『日本脱出記』の書評です。

当ブログの筆者の感慨のほども、お察しいただけるでしょうか。