「東横イン」の大杉栄

パリにつくとすぐ、仲間の一人の女に案内されて、その連中の巣くっている家の近所の、あるホテルへ連れて行かれた。(大杉栄著『日本脱出記』より)

 

 

いきなり引用ですみません。

 

ホテルといえば、今月は「東横イン」の客室情報誌『たのやく』で『日本脱出記』が紹介されています。

 

「東横イン」は各地に242軒、4万超の客室を擁する全国チェーン。

 

その情報誌は、簡単なかけ算で、毎月ウン十万の読み手の目にふれる可能性があるそうです。

 

「客室情報誌の読者数」

4万室 × シングル × 30日 × 稼働率70% = 84万人

 

 

大杉栄の冒険よろしく、よもや当局の眼をあざむく偽名の客もないでしょうが、潜り込んだホテルの一室で『日本脱出記』を偶然見つける、そんな場面を想像してみたい気もします。