瀬戸内寂聴さん新聞連載に、大杉栄登場

さて、大杉栄をめぐるニュースです。

 

『美は乱調にあり』『諧調は偽りなり』の諸作で大杉栄を取り上げている作家の瀬戸内寂聴さんが、「この道」と題した新聞連載をはじめています。

 

掲載は、「東京新聞」夕刊や「西日本新聞」朝刊です。

(ほかに、中日新聞はじめ各地のブロック紙で連載されているものとおもわれます。)

 

西日本新聞社によると、「田村俊子、岡本かの子、伊藤野枝たちを振り返りながら、作家として尼僧として活躍してきた自らの来し方、さらには現代の女性たちの生き方を見つめます」とのこと。

 

もちろん大杉も、生き生きと登場します。

たとえば、こんな具合です。

 

長身で堂々とした体つきは男らしい精力がみなぎっていると見えるし、すべての造作の大きな彫りの深い顔は、どことなくエキゾチックで、殊に大きな目は情感がこもり、それが女にむけられると、甘い情緒をたたえ、その視線の熱さだけで、見つめられた女はたいてい大杉に従ってくる。(瀬戸内寂聴「この道」)

 

連載はすでに70回を越え、伊藤野枝と大杉とがのっぴきならない出会いを果たしたところです。

瀬戸内寂聴さんの筆で描かれる二人のゆくえを、ぜひ読んでみてください。

 

 

うかつながら、この連載のことをまったく知りませんでした。

エッセイストのIさんから昨日連絡があり、慌てて図書館の資料をさかのぼった次第です。