本物は絵よりいっそう危険だぜ

こんにちは、

春分の日の午後を、いかがおすごしでしょう。

 

さて、大杉栄『獄中記』ができあがりました。

 

4月新刊と、かねて予告してきましたが、

 

  1. 2月21日に出た『KAWADE道の手帖 大杉栄』(河出書房新社)が人気なこと。
  2. 東京新聞や西日本新聞はじめ各紙で連載中の、瀬戸内寂聴さん「この道」で大杉栄が活躍していること。

 

そんなことから、絶好のタイミングを逃す手はないと、予定を早めて出荷することにしました。待ちきれず、というわけです。

 

 

本のすがたは、ぜひ下記の写真をご覧ください。

『日本脱出記』『自叙伝』とおなじ、掌におさまる、ペーパーバック判です。

 

 

期せずして、いつも新刊の発売が、米アップル社の新製品発売のタイミングとぶつかるような気がしてなりません。

 

新 iPad の宣伝コピーは、「目に見えて革命的」というそうです。

 

『獄中記』の装画には、秩序を紊乱すると警視庁の介入があり二科展から撤去された、危険な油絵《出獄の日のO氏》をあしらいました。

 

警察がピリピリするのも分からないでもありませんが、革命家が額縁から出てきて、革命を巻き起こすとでもいうのでしょうか。

 

自分の肖像が撤去された《O氏》こと大杉栄は、東京日日新聞の取材に対し、つぎのように談話しています。

 

「本物は絵よりいっそう危険だぜ。これも撤回かい。僕は二科で日当を出せば、毎日でもここに立っているよ。」

 

新刊『獄中記』が書店店頭から撤去されることのないよう、この春分の日に、慌てて書店にむけてあいさつの手紙をつくっております。

大杉栄『獄中記』。「本物は絵よりいっそう危険だぜ。」(大杉栄)
大杉栄『獄中記』。「本物は絵よりいっそう危険だぜ。」(大杉栄)
『獄中記』を裏から見る。若き大杉栄の貴重写真が見えるでしょうか。
『獄中記』を裏から見る。若き大杉栄の貴重写真が見えるでしょうか。