マヤコフスキー叢書5月創刊!

2014年4月22日

プレスリリース

報道関係者各位

合同会社土曜社

 

革命期ロシアの未来派詩人が半世紀ぶりの新訳で甦る

 

 合同会社土曜社(東京・渋谷)は、ロシア未来派の詩人マヤコフスキーの長篇詩および戯曲を「マヤコフスキー叢書」と題し、小笠原豊樹(82)氏の新訳で刊行する運びになりました。全15巻予定です。

 第一巻は、青年マヤコフスキー22歳の長篇詩『ズボンをはいた雲』です。友人オシップ・ブリークの私家版として1915年に1050部が世に出た本作は、半世紀を待たずして、1952年に当時20歳の小笠原豊樹氏が日本語に翻訳し、わが国でも読まれるようになりました。

 この翻訳に衝撃をうけた詩人の入沢康夫氏は、6年後の1958年に『ズボンをはいた熊』なる短篇を発表します。また、さらに6年を経た1964年には、大江健三郎氏が小説『日常生活の冒険』の主人公・斎木犀吉に次のように語らせます。「きみはマヤコーフスキイを読んだことがあるかい?」と。

 長く「自殺」とされてきた詩人マヤコフスキーの死をめぐり、スコリャーチン『きみの出番だ、同志モーゼル』(草思社、2000年)や小笠原豊樹氏の書き下ろし『マヤコフスキー事件』(河出書房新社、2013年)など、各国で検証が進みながらも、肝心ともいうべき詩人の作品は、ほぼ半世紀にわたり、日本語訳が入手できない状態が続いてきました。

以上

シリーズ:マヤコフスキー叢書(全15巻)

書  名:ズボンをはいた雲

著  者:マヤコフスキー ロシア未来派の詩人。1893年、グルジアのバグダジ村に生まれる。十月革命を熱狂的に支持するも、レーニンの死後、スターリン政権に失望を深め、30年4月14日、モスクワ市内の仕事部屋で謎の死を遂げる。翌日プラウダ紙が「これでいわゆる《一巻の終り》/愛のボートは粉々だ、くらしと正面衝突して」との「遺書」を掲載した。

訳  者:小笠原豊樹〈おがさわら・とよき〉 ロシア文学研究家、翻訳家。1932年、北海道虻田郡東倶知安村ワッカタサップ番外地(現・京極町)に生まれる。51年、東京外国語大学ロシア語学科在学中にマヤコフスキーの作品と出会い、翌52年『マヤコフスキー詩集』を上梓。露・英・仏の3か国語を操り翻訳多数。2013年出版の『マヤコフスキー事件』で読売文学賞受賞。

 

新書変型・96頁 2014年5月10日発売予定(以後月刊)

ISBN978-4-907511-01-2 予価952円+税

 

続  刊:①ズボンをはいた雲(入沢康夫・序文)/②悲劇ヴラジーミル・マヤコフスキー/③背骨のフルート/④戦争と世界/⑤人間/⑥ミステリヤ・ブッフ/⑦一五〇 〇〇〇 〇〇〇/⑧ぼくは愛する/⑨第五インターナショナル/⑩これについて/⑪ヴラジーミル・イリイチ・レーニン/⑫とてもいい!/⑬南京虫/⑭風呂/⑮声を限りに ※各巻にマヤコフスキーをめぐる長めの序文を掲載予定