マヤコフスキー叢書10
39|『これについて』
彼と彼女のバラード
いい雑誌です! だって、わるい雑誌を出す筈がない、国立出版所が
1923年、パリから戻った詩人は、総合芸術誌「レフ」を組織する。同人にブリーク、アセーエフ、トレチャコフ、ロトチェンコ。創刊号には、不実の恋人リーリャとの「自発的監禁」中に書き上げた『これについて』が全文掲載される。日本翻訳家協会特別賞。
- 書 名:これについて
- 著 者:マヤコフスキー
- 翻 訳:小笠原豊樹
- 写 真:ロトチェンコ
- 仕 様:ペーパーバック判(172 × 112 × 5.8ミリ)80頁
- 番 号:978-4-907511-30-2
- 初 版:2016年9月23日
- 定 価:952円+税
も く じ
これについてとは何についてか
一 レディング監獄のバラード
二 クリスマス・イヴ
三 請願書、宛名は……
ぼくはもういちど額で、ぼくはもういちど世相に、ことばの圧力をかける
『これについて』を書いた。個人的な動機によって、一般的な世相を書いたのである
マヤコフスキー(詩人)
二人は協定をむすび、正確に二ヵ月だけ離れて暮す約束をする。その期限が切れるのは一九二三年二月二十八日である。マヤコフスキーはルビャンスキー街の部屋に閉じこもり、熱に浮かされたように愛の叙事詩『これについて』を書きつづける
小笠原豊樹(詩人・翻訳家)
この詩は、友人たちにすら理解されず、文学上の味方からも敵からも悪評を受けたが、マヤコフスキーはこの詩によってロシア詩の財産をまた一つふやしたのだった
イリヤ・エレンブルグ(作家)
著 者 略 歴
ヴラジーミル・マヤコフスキー Влади́мир Влади́мирович Маяко́вский
ロシア未来派の詩人。1893年、グルジアのバグダジ村に生まれる。1906年、父親が急死し、母親・姉たちとモスクワへ引っ越す。非合法のロシア社会民主労働党に入党し逮捕3回、のべ11か月間の獄中で詩作を始める。10年釈放、モスクワの美術学校に入学。12年、上級生ダヴィド・ブルリュックらと未来派アンソロジー『社会の趣味を殴る』のマニフェストに参加。13年、戯曲『悲劇ヴラジーミル・マヤコフスキー』を自身の演出・主演で上演。14年、第一次世界大戦が勃発し、義勇兵に志願するも結局、ペトログラード陸軍自動車学校に徴用。戦中に長詩『ズボンをはいた雲』『背骨のフルート』『戦争と世界』『人間』を完成させる。17年の十月革命を熱狂的に支持し、内戦の戦況を伝えるプラカードを多数制作する。24年、レーニン死去をうけ、叙事詩『ヴラジーミル・イリイチ・レーニン』を捧ぐ。25年、世界一周の旅に出るも、パリのホテルで旅費を失い、北米を旅し帰国。スターリン政権に失望を深め、『南京虫』『風呂』で全体主義体制を諷刺する。30年4月14日、モスクワ市内の仕事部屋で謎の死を遂げる。翌日プラウダ紙が「これでいわゆる《一巻の終り》/愛のボートは粉々だ、くらしと正面衝突して」との「遺書」を掲載した。
訳 者 略 歴
小笠原 豊樹 〈おがさわら・とよき〉 詩人・翻訳家。1932年、北海道虻田郡東倶知安村ワッカタサップ番外地(現・京極町)に生まれる。東京外国語大学ロシア語学科在学中にマヤコフスキー作品と出会い、52年に『マヤコフスキー詩集』を上梓。56年、岩田宏の筆名で第一詩集『独裁』を発表。66年『岩田宏詩集』で歴程賞。71年に『マヤコフスキーの愛』、75年に短篇集『最前線』を発表。露・英・仏の3か国語を操り、『ジャック・プレヴェール詩集』、ナボコフ『四重奏・目』、エレンブルグ『トラストDE』、チェーホフ『かわいい女・犬を連れた奥さん』、ザミャーチン『われら』、カウリー『八十路から眺めれば』、スコリャーチン『きみの出番だ、同志モーゼル』など翻訳多数。2013年出版の『マヤコフスキー事件』で読売文学賞。14年12月、マヤコフスキーの長詩・戯曲の新訳を進めるなか永眠。享年82。
マヤコフスキー叢書
- ズボンをはいた雲(入沢康夫)
- 悲劇ヴラジーミル・マヤコフスキー(平田俊子)
- 背骨のフルート(高橋睦郎)
- 戦争と世界(町田康)
- 人 間(佐々木幹郎)
- ミステリヤ・ブッフ(谷川俊太郎)
- 一五〇〇〇〇〇〇〇
- ぼくは愛する
- 第五インターナショナル
- これについて
- ヴラジーミル・イリイチ・レーニン
- とてもいい!(L・カッシリ)
- 南京虫
- 風 呂
- 私自身(自伝)
別巻 声のために
『これについて』取扱店
- 『これについて』納品先を、電話番号順で一覧にしました
- 上記掲載店にかぎらず、全国の書店でお求めいただけます
- 納品数は、「★」ひとつが2〜3冊の目安です
- 「★★★」の店は、7冊以上を納品しましたので、品切れのおそれが少ないと思われます
- 納品20冊を超える協力店は、「特★★★」と示しました
土曜社 doyosha [at] gmail.com