43|大川周明『復興亜細亜の諸問題』
大川周明、三十代半ばの本格的著作
日本は「大乗相応の地」である
ヨーロッパは夢より醒めねばならぬ。而してアジアは惰眠より起たねばならぬ――。日露戦役後も英露・英独の角逐に翻弄され続けるアジア。各国事情の中に復興の兆しを見すえ、日本は大乗アジアを率先すべしと唱える大川周明が三十代半ばで世に問うた名著。
- 書 名:復興亜細亜の諸問題
- 著 者:大川周明
- 序 文:大川賢明(大川家十七代当主)
- 仕 様:文庫判(148 × 105ミリ)
- 上 巻:160頁(5.8ミリ)|978-4-907511-38-8
- 下 巻:176頁(6.3ミリ)|978-4-907511-43-2
- 初 版:2016年12月22日
- 定 価:各495円+税
日本は「大乗相応の地」である。故にその政治的理想は遠々として高からざるを得ぬ。国を挙げて道に殉ずるの覚悟を抱いて、而して大義を四海に布かんこと、これ実に明治維新の真精神を体現せる先輩の本願であった。新日本の国民は、この本願を伝統して森厳雄渾なる職責を負わねばならぬ
――大川周明(法学博士・思想家)
大東亜共栄圏の持つ意義とアジア諸国の独立を声高く言わんとしたその思想を、読者はきっと本書の中に見いだしてくれるに違いない
――大川賢明(大川家十七代当主)
アジア論についていうと、かれの主著は『復興亜細亜の諸問題』と『亜細亜建設者』でありましょう
――竹内好(中国文学者)
目 次(上巻)
序文 大川賢明
序 大川周明
第一 革命ヨーロッパと復興アジア
一 世界戦前のアジア問題
二 英独争覇としての世界戦
三 革命に脅かさるるヨーロッパ
四 世界戦と非白人昂潮
五 復興途上のアジア
第二 チベット問題の由来及び帰趣
一 中亜における英露の角逐
二 英国とチベットとの関係
三 英露のチベット争奪並に妥協
四 チベット問題の意義
五 戦後アジアと英国
第三 英仏俎上より脱出せんとする白象王国
一 シャム王子の論文
二 フランスのシャム侵略
三 シャム蚕食のための英仏提携
四 現代シャムの発達
第四 革命行程のインド
一 インドの国民的覚醒
二 国民運動の曙光
三 アラビンダ・ゴーシュ
四 言論による革命宣伝
五 国民運動の過激化
六 国民主義の勝利
七 ラホールの陰謀
八 全インドに頻発せる革命の陰謀
九 英国の対印政策
十 英国の政策に激せられたる革命運動
十一 モハンダース・カラムチャンド・ガンディ
十二 非協同運動とインドの将来
第五 アフガニスタン及びアフガン問題
一 ハビブラー王の暗殺
二 アフガニスタン及びアフガン人
三 英雄アブドゥル・ラーマン汗
四 英露協約によるアフガン問題の一時的解決
第六 復興途上のペルシャ
一 現代ペルシャ史の第一頁
二 国民運動の勝利
三 英露両国のペルシャ干渉
四 ペルシャ国力疲弊の原因
五 世界戦中のペルシャ
六 ロシア革命によって復活せんとせるペルシャ
七 英国のために亡び去らんとせるペルシャ
八 労農ロシアによって興らんとするペルシャ
第七 労農ロシアの中東政策
一 労農ロシアの対外政策
二 労農ロシアの東漸政策
三 労農ロシアと回教徒
四 労農ロシアとペルシャ
五 新露波協約
六 労農ロシアとアフガニスタン
七 新露亜協約
八 中東における新しき英露対抗
九 回教諸国聯盟問題
目 次(下巻)
第八 青年トルコ党の五十年
一 青年トルコ党の父シナッスィ・エフェンディ
二 ミドハト・パシャの皇帝廃位断行
三 ミドハト・パシャの悲劇的最期
四 臥薪嘗胆の三十年
五 青年トルコ党の組織
六 青年トルコ党の勝利
七 青年トルコ党に対する理由なき非難
八 青年トルコ党の政策に対する批判
九 青年トルコ党の三領袖
十 世界戦と青年トルコ党
第九 エジプトにおける国民運動の勝利
一 急転直下のエジプト近代史
二 英国のエジプト占領
三 クローマー卿のエジプト統治
四 エジプト国民運動の狼火
五 首相ブートロス・パシャの暗殺
六 世界戦中の英埃関係
七 世界戦後における独立運動
八 恥ずべき内なる鎖を断てるエジプト
第十 ヨーロッパ治下の回教民族
一 序 論
二 回教現勢一班
三 回教における信仰と法律及び政治との関係
四 回教植民地における統治上の困難
五 経済的見地より観たる回教植民地
六 文化的見地より観たる回教植民地
第十一 復興アジアの前衛たるべき回教聯盟
一 ポールグレーヴの警告
二 回教復興の泉となれる三つの魂
三 全回教主義及び全ツラン主義
四 回教徒の政治的覚醒
五 回教聯盟出現の可能
第十二 メソポタミア問題の意義
一 メソポタミア
二 英国のメソポタミア占領
三 メソポタミア統治の困難
四 英国は何故にメソポタミアに執着するか
第十三 バクダード鉄道政策の発展
一 年 表
二 バクダード政策発達史論
著 者 略 歴
大川周明〈おおかわ・しゅうめい〉1886年、山形県酒田に生まれる。法学博士、社会運動家。熊本第五高等学校から東京帝国大学哲学科に進学しインド哲学を学ぶ。18年から南満洲鉄道東亜経済調査局で調査研究を行なう。32年の五・一五事件で下獄。また極東国際軍事裁判では民間人唯一のA級戦犯容疑を受ける。『復興亜細亜の諸問題』『日本二千六百年史』『米英東亜侵略史』など著作多数。コーラン全文の翻訳などイスラム研究でも知られる。57年逝去、享年71。
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