78|T・S・エリオット『荒地』
20世紀モダニズム詩の金字塔
第一次大戦後の荒廃するヨーロッパ、そしてスペイン風邪の流行というパンデミックの時代を背景として1922年に発表された長編詩。モダニズム文学を代表するこの作品を、同時代の詩人・西脇順三郎による翻訳でおくる。本邦初の完訳版。
四月は残酷極まる月だ/リラの花を死んだ土から生み出し/追憶に欲情をかきまぜたり/春の雨で鈍重な草根をふるい起すのだ。(本文より)
- 書 名:荒地
- 著 者:T・S・エリオット
- 訳 者:西脇順三郎
- 装 釘:鈴木哲生
- 編 集:中村外
- 仕 様:四六判(190 × 129 × 9.6ミリ)98頁
- 番 号:978-4-907511-91-3
- 初 版:2021年10月8日
- 定 価:2,000円+税
著 者 略 歴
T・S・エリオット Thomas Stearns Eliot 詩人、文芸批評家。1888年、米国ミズーリ州に生まれる。ハーバード大学に進学し、哲学を専攻。英国に渡り結婚。同地で創作を行う。1917年に第一詩集『プルーフロックとその他の観察』を刊行。22年には自ら編集を務める雑誌『クライテリオン』で「荒地」を発表する。48年にノーベル文学賞受賞。65年没。
訳 者 略 歴
西脇順三郎〈にしわき・じゅんざぶろう〉詩人、英米学者。1894年、新潟県北魚沼郡小千谷町(現在の小千谷市)に生まれる。1922年に留学生として渡英、モダニズム文学に接する。26年に慶應義塾大学文学部教授となる。33年、39歳で日本語による最初の詩集『Ambarvalia』を刊行。その他の詩集に『旅人かへらず』『豊饒の女神』など。82年没。
本 書 よ り
――作者はヨーロッパ文学のあらゆる方面から暗示を受けて書いた学者である。「文学から文学を生みだした」場合の代表的作品である。
――この詩全体の話はそれ自身には統一のある一つの話の筋というものがない、単にいろいろの挿話が「意識の流れ」として連続されているにすぎない。ただ死、性、復活というテーマがくりかえされていると考えてみてもよい。
――詩の美は昔から遠いものを連結することによって詩的構成を目ざしている。これは西洋詩の伝統であるが、それを一つの詩的活動の重大な仕組としている。
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