Original blog|土曜社オリジナルブログ|2012年

2012年

12月

31日

勢いが余っています

おはようございます。

大晦日に一人、代官山に残っています。

 

何をするわけでもなく、プラハから近日届くはずの新刊『世界は、考える(仮)』の原稿を待っているような次第です。

 

原稿を待つことは、元より覚悟のうえでした。

 

24人の執筆陣は、東京やニューヨーク、パリ、ロンドン、ボストン、ジャカルタなど各地を動き回っているでしょうし、何より西洋では長いクリスマス休暇もあるでしょうから、腰を据えて待つしかないという心境です。

 

トルコやコロンビアの国家元首、あるいは新内閣を発足したばかりの日本の首相に、政務はともかく〆切どおりに原稿を、とせきたてるわけにもいかないでしょうし……。

 

翻訳に当たる野中邦子さんも案じてくれていますが、はっきりした日時を答えられないのが苦しいところです。

 

ただ、自分は自分の構えで物事を進めていくしかないのでしょう。

 

待ちくたびれて勢いを失ってしまうことのないように、できるところから宣伝と制作を始めています。

 

 

勢いが余って、昨日の午後、新しくウェブ上の署名運動をはじめました。

その名も「花粉症のない日本を」です。

 

いかんせん、誰に相談することもなく、パジャマのまま髭ものばし放題で、思い立って4時間後に始まっていた運動です。なにぶん男の一人暮らし風の空気が隠しきれていないかと。

 

早く自分の手を離れて、景色のいい運動になってほしいと願うばかりです。

いろいろとツッコミを入れていただければ幸いです。

2012年

12月

19日

『園土の惑星』米国ジャーナリストの書評

近刊予定の『園土の惑星』について、米国のジャーナリストから書評が届きました。

 

ランドグレンは本書で、21世紀における人類の置かれた立場について力強い物語を展開する。来る数十年のうちに、われわれ人類は、化石燃料に頼った経済成長に幕を引くことになるだろう――なぜなら、いかなる推計によってもそれは持続不可能だからだ。リスクは巨大である。だからこそ前途には、大きな可能性が広がっている。ランドグレンの物語に耳を傾けよう。そうすれば人類は、炭素に依存することをやめ、工業社会を乗り越えた先に、人間性にもとづいた文化を見いだすことができるだろう。

 

R・ハインバーグ(ポストカーボン研究所上席研究員、『神を忘れたクローン技術の時代』著者)

 

ハインバーグ氏は、米国カリフォルニア州に本拠をおく「ポストカーボン研究所」に属し、最近の金融危機から食と農、コミュニティの回復力、気候変動などの諸分野に著作があるジャーナリストとのこと。特に最新刊の『成長の終焉 The End of Growth』は昨年、米ニューソサエティ社から出版されて話題を呼んでいるもようです。

 

本書『園土の惑星』は、2010年にスウェーデンで出版され、その改訂版が来春、英国と日本で相次いで出版されることが決まっています。英国はケンブリッジ・スカラーズが、そして日本語版は土曜社が担当します。

 

英語版はすでにカバー案が出ていますから、日本語版も、うかうかしていられません。

2010年のスウェーデン語版。都市と菜園のコントラスト。
2010年のスウェーデン語版。都市と菜園のコントラスト。
英国版は、狩猟採集で一日4時間だけ働いていた人類が、いまはスーツに身を固め四六時中忙しいビジネスマンに様変わりの図。
英国版は、狩猟採集で一日4時間だけ働いていた人類が、いまはスーツに身を固め四六時中忙しいビジネスマンに様変わりの図。

2012年

12月

18日

叢書第二弾に『世界は、考える』と仮題をつけました

プロジェクトシンジケート叢書第2弾の仮題を、『世界は、考える』と置いてみました。

まだ原稿も読んでいませんから、まったく作業用の仮設タイトルです。

 

24名の執筆陣は、つぎのとおりです。

 

  • ジョセフ・E・スティグリッツ|ノーベル経済学受賞者
  • クリスティーヌ・ラガルド|国際通貨基金(IMF)専務理事
  • カウシク・バス|世界銀行チーフエコノミスト
  • ギド・マンテガ|ブラジル財務相
  • ビル・ゲイツ|マイクロソフト・ビル&メリンダ・ゲイツ財団理事長
  • ジム・オニール|ゴールドマンサックス・アセットマネジメント会長
  • ジョージ・ソロス|ソロス・ファンドマネジメント会長
  • ピーター・サザーランド|ゴールドマンサックス・インターナショナル会長
  • 黒田東彦|アジア開発銀行総裁
  • ダロン・アシモグル|マサチューセッツ工科大学(MIT)経済学教授
  • ジョン・ヴィッカース|オックスフォード大学オール・ソウルズ・カレッジ教授
  • ナシーム・ニコラス・タレブ|オックスフォード大学教授、『ブラックスワン』著者
  • アナト・アドマティ|スタンフォード大学経営学教授
  • ピエール・モスコビシ|フランス財務相
  • アブドゥラー・ギュル|トルコ大統領
  • フアン・マヌエル・サントス|コロンビア大統領
  • 安倍晋三|元日本首相
  • レオン・パネッタ|米国国防長官
  • イムラン・カーン|パキスタン正義運動党首
  • ファイサル王子|元サウジアラビア政府情報機関長官
  • ニーナ・クルシチェヴァ|ニュースクール大学教授
  • マイ・ヤマニ|サウジアラビア研究者
  • マイケル・サンデル|ハーバード大学政治学教授
  • マーク・マズオウアー|コロンビア大学歴史学教授

 

年末年始にかけて、プラハから原稿が届くことになっています。

 

また続報します。

2012年

12月

17日

たった一人の社員が副業をはじめました

今月初めから、大手町の新聞社で記事審査の仕事をはじめました。

夕方17時に出社し、明くる日の朝刊を印刷にまわし終えて、26時すぎに帰宅します。

 

たった一人の社員が副業をはじめたということになりますから、土曜社としては由々しき事態です。

 

 

2年前の創業にあたり、「よく引き際を考えておくように」と父が助言をくれました。

が、自分には引き下がるつもりは毛頭なく、今もその気持ちは変わりません。

 

どうせうまくいく――。

 

あとで知った坂口恭平さんのことばも、都合よく自分を励ます材料になりました。

 

先行する他社の例をみれば、靴を売りながら本を出し続けているという出版社もあります。不動産経営に支えられているような社も、少なからずあるでしょう。

 

紀伊國屋書店の故松原治さんは、本屋が副業をはじめることを嫌いました。

 

「本よりもうかるものを売っている部門が必ず威張るようになる」

 

というのです(『松原治私の履歴書 三つの出会い』)。

 

自分も創業するからには、転職情報を避け、他社をうらやむことなく、過去の読書記録をたぐったりしながら自分を励まして、元気を持続することにつとめてきました。

 

自分としては楽しいことだけに集中しているつもりですが、節度を守るという点では、禁欲的な態度に似ているかもしれません。

 

 

ところが、ある若い企業の創業者の話をきいて視界が開けるような気がしました。

 

彼は創業会長の職にとどまりながら、ジブリに入社し、無給で鈴木敏夫さんのカバンを持って動いているというのです。

 

なんだか自由で、愉快じゃないですか。

世の中は、行ったり来たりできるんです。

 

 

副業をはじめたと聞いて、「本業はだいじょうぶか」と心配してくださる向きもあるかもしれません。

 

だいじょうぶです。

自分は気分も高く、1月の新刊に取り組みはじめています。

 

新聞社での仕事は、校正や編集の修行にもなり、組織を通じて見識も広げられます。 もらった給与は、来春予定している英文出版のもとでになる――。

 

というわけで、一挙三得の自分の選択に満足している次第です。

2012年

12月

14日

日本から政・官の大物2名が執筆

おはようございます。

今朝は未明の6時から、事務用のハサミを持ち出して、合宿中の弟の頭を散髪しました。

 

弟の頭は寝ぐせがあるうえに、自分の頭も少し寝ぼけているような具合で、仕上がりが危ぶまれましたが、弟はそのあと元気よくスターバックスに出かけましたから、恐らく満足をしているのでしょう。

 

さて、先日契約書が届いたことを速報した「プロジェクトシンジケート叢書2」の準備を進めています。

 

プラハのプロジェクトシンジケート本部では、すべて執筆依頼を終え、24名の名前が出そろいました。

 

公開になれば、ただちにお知らせしたいと思います。

 

ちょっと先行してお伝えしますと、前作『混乱の本質』と同じく、国際機関や各国の政策担当者、研究者のほかに、おもしろいところでは某国の元首、産油国のプリンス、フォーブス長者番付の大富豪など、前作にもまして、目をみはるばかりの豪華な面々となっています。

 

われらが日本からも、政・官の大物2名が執筆を担当するもよう。

 

また近日続報したいと思います。

2012年

11月

26日

中欧プラハから届いた契約書

おはようございます。

葉山から代官山にもどってきました。

 

朝7時28分の森戸海岸発のバスで出発し、代官山に着いたのが9時13分。

岩波文庫版『福翁自伝』を読みつつ、2時間ちかくの通勤です。

 

 

さて、合同会社土曜社(東京・渋谷)は本日、国際言論フォーラムPROJECT SYNDICATEと合意し、新春1月に「プロジェクトシンジケート叢書 2」を刊行する運びになりました。

 

さる8月に叢書第一弾となる、ソロスほか『混乱の本質』(徳川家広訳)を出して以来、3か月にわたり第二弾をめぐる調整をかさねてきて、ようやく今朝、契約書をとり交わしました。

 

政・官・学・民の知性が、世界各地で鋭意執筆中です。

また近日続報させてください。

プラハから東京へ、契約書を運んできた黄色い封筒。
プラハから東京へ、契約書を運んできた黄色い封筒。

2012年

11月

22日

土曜図書館をオープンします

こんばんは。

 

ふだん朝型で通していますが、今夜は諸事情あって、まだ眠れませんので、ひとつ企画を立ててみることにしました。

 

 

企画というのは本来、そっと温めてはぐくむものかもしれません。

が、どうせにが手な夜で頭も冴えませんから、思いつきのまま走り出すことにします。

 

 

土曜社を創業して2年がたちます。

 

いったん始めたものをどこへ持っていくかということについては、これまで突き詰めて考えずにやってきました。

 

出版を軌道に乗せたら、つぎは書店をやって、それから最後に図書館をひらきたい――漠然とした希望は抱いています。

 

なんにしても、ひとつずつ手順を踏まないといけない。

 

そうきまじめに考えてきましたが、いきなり目的地にたどりついてしまうのもいいと思えるようになりました。

 

 

こう思えるのも、坂口恭平さんの存在が大きい。

 

自ら政府を立て、広く国民を受け入れながらも、税金を集めることはせず、いのちの電話をはじめとした国家サービスを無償でおこなう。

 

個人の才能と時間を惜しみなくつぎこんで、お金をかけない贈与と交易にもとづく態度経済という人との接し方をしめす。

 

さらに坂口さんは歩みを進めて、ワタリウム美術館の「新政府展」と新作執筆をはずみにして、新しい通貨「平」をうみだそうとしています。

 

 

いっぽう土曜社は、周回遅れでやってみます。

 

石器時代さながらの物々交換と持ちつ持たれつの暮らしにまなんで、そろそろ練習をはじめてみようかと。

 

家族や友だちの間であたりまえにおこなわれていることを、ちょっとした工夫で、外へひらいてみようという試みです。

 

 

というわけで、図書館をはじめます。

 

本は、まだありません。

本なんて、なければなくてもいい。

 

人や発想を貸し借りする図書館です。

 

ストックホルムには、郷土史家や町の水先案内人を貸し出してくれる公共図書館があるそうですから、前例がないわけでもないのかなと。

 

 

土地もお金も用意せず、当ウェブサイトの一角に近日オープン。

 

あすの朝になって、やる気がさめてなければやってみます。

2012年

11月

22日

出版社をはかる基準

おはようございます。

あすからの三連休に、心を弾ませている方も多いのではないでしょうか。

 

 

さて、ここ数日「読書メーター」というサービスに注目しています。

 

読書メーターに参加するのは簡単です。

フェイスブックやツイッターと連動させるだけで、プロフィールや写真を用立てする手間もはぶけます。

 

あとは読んだ本を記録して、自分の読書録を人から見られることを意識したり、人の読んでいる本からその傾向を読みとくことも自在――楽しみ方は自由です。

 

図書室で同じ本に手をのばして、アッと赤面するような、青春学園さながらの展開もあるかもしれません。

 

なにしろ「友をみれば人が分かる」といわれるように、読書というのは裏切らない一生の友だちですから。

 

 

ひとつ特筆すべきは、出版社の人気番付もみられること。

 

  1. 東京創元社 2447人
  2. 早川書房 2097人
  3. 国書刊行会 816人
  4. 角川書店 625人
  5. PHP研究所 382人

 (番外)土曜社 2人

 

登録されている版元が一部にとどまることや、ミステリ系に偏りがみられることを踏まえても、非公開企業がほとんどの国内出版業界で、こうした番付がみられるのがおもしろい。

 

土曜社の2人のうち、1人は筆者なのが、なんとなく気恥ずかしいことではあります。

 

出版社をはかる基準は、いくつかあります。

 

  • 売上高でいうなら、講談社。
  • 刊行点数も、講談社。
  • 読者の人気は、新潮社。「ダヴィンチ」調べ。古い記憶です。
  • ISBNでみると、00番の岩波書店。01番は旺文社、02番は朝日新聞出版と続く。「978-4-」で始まるナンバーで、古参ほど若い番号になります。ちなみに土曜社は、9905587番です。
  • 初任給では、福音館書店。
  • 問屋への卸率は、某社。いわゆる出し正味のこと。老舗と新参のあいだに10%ほどのひらきがあり、出版社の実績と実力とをはかる数字ともいえますが、契約書に他言すべからずという条項があり、闇の中。
  • 従業員数は、業態が多様でちょっとはかりづらいところ。

 

打率より安打数にこだわったイチロー選手に見習うなら、土曜社も売上高と刊行点数をふやすことに集中すべきかもしれません。

 

さしあたり、従業員の年間休日数というような勝手な基準をもうけて、日本一をねらおうと企てています。

 

 

当ブログの筆者も、恐るおそる読書遍歴を記入しはじめています。

 

大学に上がったころにつけていた読書録のキャンパスノートをとっておけばよかったなあと惜しんでみたりしながら、しこしこと楽しい作業です。

 

自分の読書量や傾向をレコーディングしてみたい方は、読書メーターにぜひ注目してみてください。

葉山の2階家から、冠雪した富士をのぞむ。今週は三連休も待ち遠しく、平日も葉山で作業しています。公式ウェブサイトの受注には、代官山の留守をまかせている弟の卓に頼んで、いつもどおり即日出荷しています。注文してくれた方、配達を楽しみにしてください。
葉山の2階家から、冠雪した富士をのぞむ。今週は三連休も待ち遠しく、平日も葉山で作業しています。公式ウェブサイトの受注には、代官山の留守をまかせている弟の卓に頼んで、いつもどおり即日出荷しています。注文してくれた方、配達を楽しみにしてください。

2012年

11月

21日

坂口恭平のファーストアルバム全曲公開

おはようございます。
 
さて、昨夜思い立って、坂口恭平「Practice for a Revolution」の全11曲を YouTube で公開しました。
 
もともと坂口さんは、このアルバムをゼロ円で配布するつもりでいたわけで、そのかたちに多少なりとも近づいたことになります。
 
聴き手の我々としては、生活や好みに応じてさまざまな聴き方ができるというわけです。
 
少なくとも、7通りくらいの聴き方がありそうだなと。
 
  A. YouTube で再生リストをつくって聴く
  B. iTunes Store で購入して聴く
  C. 書店・レコード店で購入して聴く
  D. 友だちから借りて聴く/友だちの家で聴く
  E. ラジオにリクエストして聴く
  F. TSUTAYA でレンタルして聴く(1月23日開始予定)
  G. 公共図書館から借り出して聴く 

 
このアルバムの録音は6月22日に、恵比寿は塚田耕司さんのプライベートスタジオでおこなわれました。
 
11曲目の「牛深ハイヤ」だけは、7月1日の録音です。
 
  1. 新政府ラジオのテーマ(作詞・作曲:坂口恭平)
  2. 魔子よ魔子よ(作詞:大杉栄・坂口恭平、作曲:坂口恭平)
  3. Train-Train(作詞・作曲:真島昌利)
  4. 雨の椅子(作詞・作曲:坂口恭平)
  5. Anokoe(作詞・作曲:坂口恭平)
  6. オモレダラ(作詞・作曲:坂口恭平)
  7. (作詞・作曲:石野卓球)
  8. 生理的に大好き Part.3(作詞:MINT、作曲:M・Hiroishi)
  9. Hot Cake(作詞・作曲:S.L.A.C.K.)
  10. Gee(作詞・作曲:イー・トライブ、日本語詞:中村彼方)
  11. 牛深ハイヤ(熊本民謡)

 

 

歌う坂口さんをみるにつけ、暴動の夜にテレヴィで特別ショーを演じたジェームス・ブラウン氏のことが思い出されます。

 

ファンクの帝王と称されたブラウン氏はその夜、黒人の仲間たちが暴動に参加しないよう、テレヴィに釘付けにしたといわれます。

 

この直接的なタイトルを冠したアルバムで坂口総理は、ぼくたちに革命への準備をうながしているばかりじゃない気がします。

 

事はもっと単純で、ごく私的な感じがします。

坂口さんが採集した元気をひたすら聴き手に送りこんでくる、そんなアルバムです。

 

まだ聴いていない方にも、ぜひ一聴をすすめてみてください。

6月22日の録音では、坂口さんは上半身もあらわに全曲を一気に通して歌った。写真は、録音2日目となる7月1日のもの。一睡もせずスタジオに現われた坂口さんは、ざっと風呂を浴びるや、「牛深ハイヤ」を録音した。2日間をあわせても3時間たらずの録音のあいだ、余計な話題は一切なく、まるで言葉の通じない遠い国のシンガーの歌唱をそっと採集しているような密かな気分を味わった。
6月22日の録音では、坂口さんは上半身もあらわに全曲を一気に通して歌った。写真は、録音2日目となる7月1日のもの。一睡もせずスタジオに現われた坂口さんは、ざっと風呂を浴びるや、「牛深ハイヤ」を録音した。2日間をあわせても3時間たらずの録音のあいだ、余計な話題は一切なく、まるで言葉の通じない遠い国のシンガーの歌唱をそっと採集しているような密かな気分を味わった。

2012年

11月

20日

葉山保養所ができました

おはようございます。

 

ずいぶんとご無沙汰してしまいましたが、お変わりないでしょうか。

 

 

土曜社の近況を報告しますと、6月に『リガ案内』を出し、8月に『混乱の本質』が、さらに同月には『Practice for a Revolution』を発売しました。

 

同じく8月には、坂口恭平リサイタルを大がかりにおこない、直後に坂口さんは欧州へ旅立ち、土曜社の夏もそれで終わったようになって、11月まで来てしまいました。

 

「このままではいかん」と、この間、なんども再起動をこころみながら、なんとなく、いまは我慢の時と決めこんでしまい、極力判断することを避け、現状を維持しながらやってきました。

 

兵法でいうなら、兵力の温存という図になりますが、いかんせん受け身に立ち、勢力がそがれたことは否めません。

 

 

じっとしながら何をしていたかとふりかえれば、過去の日報をおさらいして、読書録を整とんし、売掛金の皮算用をおこなう、そんなことを細々と続ける毎日です。

 

収支のバランスをとることが精神には欠かせませんから、スターバックスに入るのもやめ、一駅くらいなら歩いて移動するようなことで、そんな工夫もやりはじめると楽しくできてしまう――便利な性分です。

 

大杉の方は、いっこうに貧乏らしくなく貧乏している人だった。

 

というのは、山川均の大杉栄評ですが、そんなふうに貧乏したいなとあこがれてみたり、のんきなものではあります。

 

 

さて、そんなこんなで前後の脈略がないようですが、葉山に一部屋をかりることにしました。

 

思いつきの当初は、逗子に小さな部屋をかりて大杉栄を気どるつもりでした。

 

大杉豊さんの労作『日録・大杉栄伝』によると、大杉には、沖縄の同志といっしょになって、逗子海岸にアイスクリームの売店を出して、大いに稼ごうという計画があったそうです。

 

アイスクリーム製造機も買い入れ、春から客が来るともてなしては練習を積んでいたというから、あんがい本気です。

 


結局、少し南にはずれて葉山におちつきました。

 

大杉栄が執筆のたびに逗留した老舗旅館の日陰茶屋(いまは日影茶屋と名をかえ、和食からフレンチまで葉山町内で数店を展開しています)も近所の二階屋です。


代官山の部屋はこれまで通り平日の拠点として残しつつ、週末はおもに葉山ですごすような生活をはじめています。

 

海がみたくなったら、電話ください。

2階から相模湾をのぞむ。左にみえるのが江ノ島。
2階から相模湾をのぞむ。左にみえるのが江ノ島。

2012年

10月

24日

ラトビア政府観光局のプレスツアー

こんにちは。

 

さて、ラトビア政府観光局が12月11日〜20日の旅程で、クリスマスのバルト3国をめぐるプレスツアーを実施するそうです。

 

訪問地はリガ、タリン、ビリュニュスで、招待人数は7〜9人とのこと。

 

興味をひかれた方は、弊社までご一報を。

政府観光局へおつなぎします。

 

担当:豊田

tsuyoshi.toyota@doyosha.com

2012年

9月

11日

某雑誌取材の準備

毎日なにか新しいことをひとつやってみよう。

というわけで、きょうは当ブログを2回更新してみます。

 

はじめての試みです。

 

 

実は、もうひとつ新しいことが、1時間のちの17時にせまっています。

はじめて雑誌の取材を受けることになり、記者の来訪を待っているのです。

 

人に接するときは、ありのまま。

むしろ自分にとって不利なこともさらけだすというスタイルですから、取材といっても、なにも準備は要りません。

 

要は、どれだけ正直でいられるか。

 

 

ただ、正直でいても、記憶ちがいで事実に反するということが多々ありますから、この場をかりて、思い出を温めなおしてみたいとおもいます。

 

 

2010年

8月 当時勤務していた財閥系生命保険会社に内緒で編集した本が出版される(日暮泰文『のめりこみ音楽起業』)。対シンガポールの貿易事業を手伝うよう、ある広告会社の部長から誘われ無給ではたらく。部長の「成功哲学」の個人講義を受ける。給料がなくても、元気にはたらくことができるという新発見。

9月 上記の『のめりこみ音楽起業』が日経新聞の文化欄に大きく取り上げられる。掲載紙をてこに、両親に独立創業の意志をつたえる。勤務先に退職願。同じく勤務先の出版社とそりがあわなくなっていた編集Kくんと気脈を通じ、2人で創業という線で進める。

10月 創業記念レセプション。多くの方々から門出を祝福されるが、1冊の本の企画もない。編集Kくんの連絡が滞る。彼の話に耳をかたむけず、自分勝手なスケジュールで進めてしまった報いか。

11月 渋谷・円山町「本の祭典」。イベントは成功を見るが、肝心の本の企画はまだ無い。ヴェトナム政府専売塩をめぐる各種制作の仕事が舞いこむ。着手金の数十万円が、はじめての売上金。

12月 見城徹さんの本に、「角川書店を辞めた年の11月12日に会社を設立登記し、まもなく、年末の12月28日から年を跨いで翌1月7日まで、誰もいない雑居ビルのオフィスで、40~50人のクリエイターたちに毎日手紙を書いていた。」(『異端者の快楽』)という記載をみつけ、最優先すべきは作家に手紙を書くことじゃないかという強迫観念にとりつかれる。設立登記すらしていない状態。個人商店・土曜社。フランス学生・シャルリ君をホームステイさせる。これがきっかけで自炊を開始、生活費がぐっと下がる。これでしばらく本を出さなくてもやっていける。大杉栄の実弟のご子息である、大杉豊さんに手紙を出す。

 

2011年

1月 年末にはじめた自炊のおかげか、心が安定している。玄米食。長生きしたら勝ちという家康さながらの心境。

2月 第一弾『日本脱出記』の制作。復刻刊行ということで甘くみたのがまちがい。それ以上に、自分の力不足を知る。装丁をたのんだ弟と合宿して乗り切る。

3月 『日本脱出記』を印刷入稿した直後に震災。紙の手配もままならず、月内の発売を断念する。あらゆる自粛ムードのなか、書店に新刊案内を送ることさえはばかられる。フランス文学のアンソロジー企画を途中で投げ出す。ぜんぶ自分の思い通りにしないと気がすまない。

4月 『日本脱出記』発売。より廉価な岩波文庫版が店頭に残るなか、まったく売れない事態も覚悟する。発売から1週間たち、まず小石川のあゆみBOOKSから補充注文。ほかにも続々と各地の書店から注文が入る。スーツケースを購入、これで100冊を持ち運んで直納して歩きまわる。トークが下手なぶん、汗をかく。

5月 一日10件強の書店をたずねて歩く。本が売れていれば、どこにでも顔を出しやすい。

6月 『日本脱出記』の書評が各紙誌に出る。そのつどブログで詳報し、書店にはファクシミリで報告する。

7月 文芸誌の「新潮」から原稿を頼まれる。嬉しい半面、まったく自信もてず。よしんば自分に書けなければ、作家志望の友人をたよろうという心で引き受ける。

8月 「新潮」に「出シュッパン記」が掲載される。友人のイベントで喧嘩。へたに安請け合いすることを反省。やはりぜんぶ自分でやるのがいい。『日本脱出記』が「NHK週刊ブックレビュー」で好評、電話が鳴りやまない一日を経験する。この勢いを逃すまじと、急遽、第二弾を『大杉栄自叙伝』と決め、制作にとりかかる。本を読むにせよ、つくるにせよ、以後夏は避けようと心に誓う。

9月 第二弾『自叙伝』発売。過度な期待をのせて出版。『蟹工船』の40万部を参考にと大言するが、40万といっておけば、10分の1くらいの数万部は行くだろうと算段する。

2012年

9月

11日

渋谷・大盛堂書店に土曜社コーナー現わる

嬉しい報告です。

 

渋谷の老舗、大盛堂書店の2階に土曜社コーナーができました。

 

弊社のすべてがここにあります。

といっても、創業2年足らずの全6冊です。

 

 

「期限はもうけませんから、思うように自社の棚をつくってみませんか」

 

という提案を大盛堂書店のYさんからいただいたのは、夏の終わりだったでしょうか。

 

5段の棚を、上の3つはミシマ社に、下の2つを土曜社に、という構成とのことです。

 

終わりは常に寂しいものですが、逆に期限がないことで、だんだん互いに嘘がまじってくる事態は、慎重に避けなくてはいけません。

 

なにしろ、Yさんとは同世代でもあり、これからさき、本をめぐって長い付き合いになるはずですから。

 

というわけで、1年と期限を区切ってもらいました。

 

この1年間をめいっぱい使って、楽しみながら棚づくりをしてみたいと思います。
ときどき観察していただければ幸いです。

 

学生のころ、アルバイトの面接で落とされた思い出の書店に自社の本が並ぶ。Yさんこと大盛堂書店の山本亮さんは、読売新聞社「本よみうり堂」でも好評連載中です。
学生のころ、アルバイトの面接で落とされた思い出の書店に自社の本が並ぶ。Yさんこと大盛堂書店の山本亮さんは、読売新聞社「本よみうり堂」でも好評連載中です。

2012年

9月

09日

「ラトビア夜市」盛況御礼

おはようございます。
昨夜は、ラトビア夜市でした。

 

来場者数をカウントする余裕もなく、ドタバタの3時間がすぎていきましたが、おかげさまで、にぎやかで楽しい夜祭りになりました。

 

ご来場いただいた方には、やはりドタバタしてしまい、ろくに挨拶することもできませんでした。

 

この場をかりて、御礼申しあげます。

 


とんでもない掘り出しものもありました。


さりげなく出されたラルフ ローレンのコレクションラインのドレスやジャケットが、ぜんぶ千円で、かつ未使用とおぼしき状態なのには、我が目を疑いました。

 

ご愛嬌で買ってくれた方や、今後の縁をむすぶような交易もあったようです。

かわいい絵描きさんも、いましたね。


ドリンクは、172杯が出ました。
一人一杯でカウントすれば、170名ほどの来場があったと見ることもできそうです。


一夜かぎりとうたった夜市でしたが、会場を提供くださった athalie の平山寛子オーナーからは、「よいイベント」だったとお褒めをいただいています。

 

今後なにか企画することもありそうですので、そのときはぜひ、また愉快な時間をごいっしょさせてください。

 


さて、楽しかった「ラトビアウィーク」も今週でフィナーレです。
 

最終日の9/13(木)19:00-21:00は、メイン会場の athalie で「ラトビア音楽の夕べ」があります。

 ぜひ誘いあわせて、お越しください。

では、よい休日を。

 


ちなみに土曜社は、こんな売上でした。

売上13点・5,500円(100円値引き)

  1. 庄司薫『ぼくが猫語を話せるわけ』(中央公論社、1978年)200円
  2. 村上春樹『走ることについて語るときに僕の語ること』(文春文庫、2010年)100円
  3. 竹熊健太郎『篦棒な人々』(河出文庫、2008年)100円
  4. 高橋康也『キャロル イン ワンダーランド』(新書館、1971年)500円 ※少女たちへの手紙
  5. 現代詩文庫 13『吉岡実詩集』(思潮社、1968年)400円
  6. iPhone 3G(8GB)500円 ※電源コードなし、箱・Apple社シール付属
  7. 読書水筒「行動拍檔」大 2980円⇒2000円
  8. 『Another Travel Guide Riga』(ATGR、2010年)500円
  9. アレサ・フランクリン「シンク/ユー・センド・ミー」200円
  10. かまやつひろし「我が良き友よ/ゴロワーズを吸ったことがあるかい」200円
  11. ザ・ラヴィン・スプーンフル「サマー・イン・ザ・シティ/ブッチーズ・チューン」300円
  12. ポール・デスモンド「テイク・テン/黒いオルフェのテーマ」100円
  13. ヤードバーズ「フォー・ユア・ラヴ/ゴット・トゥ・ハリー」500円

 

表参道・骨董通りathalieで、ラトビア夜市を開催。アップルストア世界第一号店を八木保氏と共同担当した建築家・植木莞爾さんが、若き日に設計したファサードをかりて。
表参道・骨董通りathalieで、ラトビア夜市を開催。アップルストア世界第一号店を八木保氏と共同担当した建築家・植木莞爾さんが、若き日に設計したファサードをかりて。

2012年

8月

14日

坂口恭平ドローイングTシャツ

おはようございます。

 

おかげさまで、先週8/8(水)に発売してこのかた、坂口恭平ニューアルバム - Practice for a Revolution の注文が、とぎれることなく続いております

 

ご注文は、毎日3回にわけて確認し、シールを貼り、エアキャップで包み、いそいそと各地へ発送しています。

 

 

さて、8/4(土)の坂口恭平リサイタル会場で販売したドローイングTシャツですが、「追加販売を」という一部の熱い声援にこたえて、追加生産することにしました。

 

取り扱いは、つぎの各店です。

 

  • TSUTAYA三軒茶屋店
  • リブロ渋谷店(8/23のリニューアルオープンに合わせて展開予定)

 

顔のみえる範囲でやっているせいで、どうしても東京に偏りがちです。

遠方のかたには恐縮ですが、小社ウェブサイトの通信販売をご利用いただければ幸いです。

 

余談ですが、当ブログの筆者も、三重の県立高校の高校生だったときは、L. L. Bean の海外通販やら、メンズノンノ(!)のショップリストから原宿の店に電話しては、洋服を取り寄せていたものです。

 

 

サイズは、S・M・Lの3種類。

色は、ホワイトの生地に、ブラックの微細ドローイングがシルク印刷された一品です。

 

白いTシャツは、透けるから手を出しづらい、という女性ならではの事情もあることは承知のうえで、かっこよさを重視しました。

 

というわけで、とりわけ男性のかたにおすすめします。

 

8/4リサイタル当日に、出来たてほやほやの撮影。
8/4リサイタル当日に、出来たてほやほやの撮影。

2012年

8月

04日

全校集会のような坂口恭平リサイタルへ、ようこそ

おはようございます。

坂口恭平、初のリサイタル当日です。

 

さて、改めておおまかな流れをご案内します。

 

 19:00 渋谷さくらホール開場

 19:30 開演

 21:00 終演・サイン会

 22:00 さくらホール撤収

 22:30 恵比寿リキッドルームのアフターパーティ開始

 23:00 総理DJ

 24:00 終了

 

今回のリサイタルは、会場に739席のコンサートホールを用意しながら、これまで本の出版しかしたことがない小社が主催するなど、素人っぽく、スキだらけで運営しております。


6月末に企画を提案した当初は、坂口さんも「リサイタル笑」と照れくさそうでした。

また、弊社の運営についても、「だいじょうぶか」という感じでもありました。

 

ところが、予約が初日だけで100名を超え、それから300名、400名、500名と人数が増えてくるにつれて、坂口さんもだんだん本気になってきてくれたように思います。

 

本気で「ジャイアンリサイタルをやるから、みんな来い」と。

 

その間、ニューアルバムに先行して《魔子よ魔子よ》が話題を呼び、高橋源一郎さん、別所哲也さん、ピーター・バラカンさんのラジオ番組でオンエアされ、YouTube のデモ版が10,000回を超えて視聴されるなど、盛り上がりを見せています。

 

先日は、この夏に結成されたばかりのスリーピースのバンド《ぼくら》が、《魔子よ魔子よ》をカバーした動画が、これも YouTube で公開され、またいい感じだったりしました。


 

そんなことで、わくわくと期待で胸が高鳴りますが、やはり運営上の不安は残ります。

 

坂口さんという類いまれな存在と、その歌を聴こうとする具眼の方々があつまる場を、ともかく用意することができればよいのだと、自分の役目を単純にとらえることで、何とか持ちこたえております。

 

 

ちょっと余談ですが、ふりかえれば、ぼくたちは1000人規模の集会というものを何度も経験しているんですよね。

 

そう、「全校集会」のような集まりでは、諸先生方が指導してくれてのことだったのでしょうが、あたりまえのように集会し、何事もなかったようにぞろぞろと各教室に帰りついたものでした。

 

あんがい義務教育は役に立っているぞというのが、創業以来ここ2年の実感です。

 

 

さて、そんなわけでして、本日はゲストとキャストの違いはありますが、ぜひゲストのみなさまにも、少しずつ手を貸していただきたいとおもいます。

 

具体的には、つぎのご協力をお願いします。

 

 

【撮影】総理は公人なので、基本的に肖像権はありません。どんどんツイートして、タイムラインを「坂口恭平」で埋めていければと思います。小社もドシドシ、リツイート作戦で応酬します。ぜひ共同作戦でお願いします。

 

たぶん坂口さんは、後日「坂口恭平」でエゴ検索しますので、演奏に心動かされたときは、ぜひ感動を書き込んでください。

 

 

【ドリンク】会場には、ドリンクサービスがありません。本日は最高気温30度と、比較的に涼しいという予報ですが、いかんせん夏場のことですから、水分補給は欠かさないようお願いします。

 

会場1階には自動販売機があり、また、少し出たところにはセブンイレブンがございます。

 

 

【ご入場について】19時から、整理番号順に入場をご案内します。500番まで発番してありまして、開場前は、ロビーで「1番から100番」「101番から200番」というふうに、示し合わせて並んでいただければ幸いです。

 

 

【当日券について】弊社サイトからお申し込みいただきながら、まだご入金をいただいていない方は、その旨を「当日券売場」でお申し出でください。前売り1,000円でご入場いただけます。

 

もし、ゆうちょ銀行をご利用で、入金確認が後日になってしまう場合は、「当日券売場」でその旨をお申し付けください。当日のお支払いなく入場できます。

 

 

【人数が増えそうな方へ】当日都合のつく方がいれば、ぜひご家族・ご友人にもお声がけください。739席満員の熱気むんむんで、総理をステージに迎えたいと思います。

 

 

【アフターパーティ】会場は、恵比寿リキッドルーム(KATA)です。リサイタル会場でお渡しする来場特典が、アフターパーティの入場券になります。

 

渋谷さくらホールからの移動は、タクシー(初乗り710円)、徒歩(15分)、山手線(隣駅)と至便です。

 

リキッドルームの場所をご存知の方は、率先して、不案内な人を引率していただければ幸いです。

 

また、21時の終演から、アフターパーティが始まる22時半までには、充分な時間があります。ラーメンで腹ごしらえして、総理DJに備えていただくのも一計かと。さくらホール近くには「櫻坂」が、リキッドルーム近くだと「九十九」「AFURI」といった人気店がございます。

 

こちらもお誘い合わせのうえ、和気あいあいの精神でお願いします。

 

 

【物販】本日のグッズ販売は、つぎの各種を準備しています。

 

 - 坂口恭平ニューアルバム『Practice for a Revolution』1500円

 - 坂口恭平著『独立国家のつくり方』760円

 - 坂口恭平著『0円ハウス』3300円

 - 坂口恭平Tシャツ(S/M/L)各2980円

 - 大杉栄著『日本脱出記』952円 《魔子よ魔子よ》オリジナル収載

 

坂口さんも、リサイタルを終えて息つく暇もなく、サインしてくれることになっています。

 

本日ご購入のものでなくても、だいじょうぶです。全部お持ちの方もいるでしょうから(Tシャツは本日発売ですが)。その場合はぜひ、ご自宅から坂口恭平グッズをお持ち込みください。

 

 

【リサイタルの記録】本日は、某全国紙が取材にくることになっていまして、後日記事になる予定です。また、映像は、某国営放送局のスタッフが手弁当で、音源は、ニューアルバムの録音を担当してくれた塚田耕司技師が記録することになっています。なにかしらのかたちで、後日記録をお手元にお届けするべく企画しています。

 

 

くだくだと述べてきました。

 

これまで紆余曲折を楽しみながら準備を進めてきましたが、恐らく本番では予期せぬ事態がおこり、足りない部分も多々見られるかと思います。

 

力を合わせて夏の思い出をつくりたいと思いますので、ぜひお楽しみください。

 

全校集会にあつまる学生気分で、ぞろぞろとお越しいただければ幸いです。

2012年

7月

04日

8/4(土)坂口恭平コンサートのお知らせ

おはようございます。

 

さて、8/4(土)の坂口恭平コンサートのお知らせです。

 

急遽きまったコンサートでして、チケットの先行予約も、あわただしく昨夜の21時から開始しました。

 

思いのほかアクセスが集中し、予約サイトが数回ダウンするなど、やきもきされた方もいるのではないでしょうか。ごめんなさい。

 

けさは、サイトも回復しています。

 

全席自由席ですが、当日は19:00から予約の順にご案内します。

 

坂口さんの歌を唾が飛んできそうな至近距離で聴きたい方や、中2階のバルコニー席から貴賓のようにゆったり観覧することをご希望の方には、早めのご予約をおすすめします。

 

すでにご予約いただいた方には、順に整理番号をメールでお知らせしていきます。

 

 

今回のコンサートを楽しい一夜にすべく、いろいろ工夫をしています。

 

工夫といっても堅苦しいものではありません。

むしろ根本にたちかえり、要らないものは捨て、軽くなる方向です。

 

坂口恭平さんがいて、熱心な聴き手がいればそれでいいじゃないかと。

代理店もプロモーターもいれず、できるだけ自分たちでやってみます。

 

周囲に吹聴いただくなど、ご協力をいただければ幸いです。

 

 

コンサートの特徴を3つほどあげてみます。

 

① 来場者1,000人があつまること(実際の会場は、739席です)

 

人が多くあつまることで、入場料を安く抑えることができるという発想です。

 

目の前にいるひとりの個人に対するときも、全国放送のテレビに出演するときも、同じように全力で物事を伝えようとする坂口さんなので、入場料は1000分の1で済み、効用はちゃんと「1サカグチ」分かなと。

 

坂口恭平の言動に注目しているという共通項をもちつつ、気の合いそうな同時代(世代じゃなく)の仲間をみつけるにも、会場は広いほうがいいだろうと考えました。

 

コンサートは90分と短い時間ですが、そのあと、アフターパーティも企画しています。

 

みんなでぞろぞろと、ふたつの会場を移動するなど、夏の思い出づくりと友達づくりの一夜にしたいとおもいます。

 

② 歌手・坂口恭平はじめてのソロコンサート

 

坂口さんは数十年後の自身について、「街角で三味線を弾いて歌う、わけのわからないおじいさん」と話すことがあります。

 

ギターをもって路上に出れば毎日1万円を稼ぐことができるということが、彼の経済を、もっとも小さくまとめたすがたなのだろうとおもいます。

 

20代のころ渋谷を主戦場に街の一角で歌っていたという坂口恭平が、総理就任後、同じ町のコンサートホールに帰ってくる――そんな筋立てもお楽しみください。

 

③ 渡欧を3日後にひかえた歴史的な夜に

 

「いま日本でいちばん忙しい男」といってよいほど今年前半の坂口さんは、多忙をきわめました。

 

本を出版し、取材をうけ、テレビに出演し、主演映画の舞台あいさつをし、地方の会合に呼ばれて話をする、というふうです。

 

さらにこの間、新作アルバム「Practice for a Revolution」(8月1日発売予定)の録音もおこなうという半神半馬の超人ぶり。

 

駆けまわる坂口さんの動きを、ぼくたちは自由なラジオを聴くかのように、ツイッターで見守ってきました。

 

そんな坂口さんが、この8月から秋にかけてヨーロッパにいってしまったら、日本に残るぼくたちはたぶん、えもいわれぬ寂しさを感じるんじゃないでしょうか。

 

すごい速度で駆けぬけた男がいた、と。

 

そして10月にヨーロッパから帰ってくる坂口さんは、いまの地点から跳躍を果たした、もっとちがう坂口さんだと思うんです。

 

というわけで、8/4(土)のコンサートでは、今年前半にたくさんの学びや楽しい思い出をもたらしてくれた坂口恭平さんを、ヨーロッパへ見おくる壮行会も兼ねておこないたいとおもいます。

 

 

毎日いろいろありますが、当日を楽しみにしていただければ幸いです。

ちらしは、渋谷ユーロスペース、京都みなみ会館、福岡IAF SHOP*など、「モバイルハウスのつくりかた」公開劇場で手に入ります。近日、早稲田大学キャンパスでも配布します。
ちらしは、渋谷ユーロスペース、京都みなみ会館、福岡IAF SHOP*など、「モバイルハウスのつくりかた」公開劇場で手に入ります。近日、早稲田大学キャンパスでも配布します。

2012年

7月

02日

G・ソロスほか『混乱の本質』受注開始しました

おはようございます。

 

さて、7月新刊のジョージ・ソロスほか著『混乱の本質』の受注を開始しました。

 

初版5000部をみすえて、全国の主要書店300店から3000部にせまる事前予約をあつめるというのが目標です。

 

小さくはじめて大きく育てるという零細出版社の定石は、今回にかぎって、とりません。

スタートダッシュにかけていきます。

 

この週末だけで、すでに48店478冊の予約があり、手ごたえを感じています。

 

取り扱い書店一覧も毎日更新していきます。

近所の書店に新刊がならぶか、ご確認いただければ幸いです。

 

 

最悪のシナリオをもっておけば、がっかりすることはないと宮崎駿監督も教えてくれていますが、いつも楽観しながら進んでしまいます。

 

ドシドシ動きまわって、楽観と現実とを置き換えていきたいとおもいます。

2012年

6月

25日

7月のジョージ・ソロス氏と坂口恭平さん

おはようございます。

 

毎月25日になると、その月の支払いや請求をまとめて処理することにしています。

事務作業で書類を整とんしているうちに、おのずと翌月の構想も浮かんできます。

 

 

さて、7月の予告をさせてください。

 

ひとつめは、ジョージ・ソロスによる言論空間「PROJECT SYNDICATE」叢書の刊行を開始することです。

 

3月にチェコのプラハから来日した「PROJECT SYNDICATE」のD氏と会い、そこから長く複雑な交渉をへて、ようやく刊行にこぎつけました。

 

翻訳は、『ソロスは警告する』の翻訳で定評ある徳川家広さん。

徳川将軍家19代当主としても知られる方です。

 

 

もうひとつは、新政府総理大臣・坂口恭平さんのCDを新録・発売すること。

 

5月の講談社現代新書『独立国家のつくりかた』がいきなり3刷5万部を突破し、朝日新聞からTBSまでメディアの取材をうけつつ、浅田彰、國分功一郎、宮台真司、田原総一朗といった恐ろしい論客たちとの対談を連日こなし、主演・原作をつとめる映画が2本(堤幸彦監督「MY HOUSE」と本田孝義監督「モバイルハウスのつくりかた」)あり、講演会では会場を笑わせ、ときに考えこませ、打ち上げでは深夜まで隣りにすわった相手に向かって話し続ける――。

 

のみならず、「自殺者ゼロ」を公約にかかげる新政府をたちあげ、初代総理大臣に就任、ポケットの iPhone は、電話番号を公表しているため、いつも相談の電話がなりやまないという多忙の日常を突っ走る坂口恭平さんの、まさしくいまの声をつたえる歴史的な録音になります。

 

坂口さんのいう「ワンコールで電話に出る」ことを実践するだけで、ぼくたちの社会がどれだけ明るく、楽しくなることか。

 

電話番号の公開、講演、執筆、フィールドワーク、英語、ギター、歌、ドローイング、資金の調達――。

 

自分にはとてもやれないことを、5つも6つも同時にやってのける坂口さんですが、電話にワンコールで出るということだけでも、とんでもなくすごいことだと一日で思い知りました。

 

8月から10月まで、坂口恭平さんがベルリンに招聘されて日本をはなれてしまうので、その前になんとかお届けすべく、進めています。

 

 

以上、とりいそぎ報告でした。

 

随時続報しますので、ときどき、当サイトをチェックしていただければ幸いです。

2012年

6月

23日

代官山の蔦屋書店の『リガ案内』

こんばんは。

土曜の夜です。

 

まだあす丸一日、週末があるとおもえば、心も軽く感じます。

 

 

さて、6月新刊『リガ案内』について続報です。

 

先週金曜に、できたばかりの本を問屋に納品し、週明けには全国の書店へ届くはずでした。

 

ところが、水曜になってもまだ商品が届かないと複数の店から照会をうけ、まだかまだかとやきもきしていました。

 

ようやくこの週末には、書店に本がそろいつつあります。

 

 

昨年12月のオープン以来、連日にぎわう代官山の蔦屋書店では、森の国ラトビアの雰囲気をつたえるコーナーが登場しました。

 

 

店着が遅れた理由は恐らく、裏表紙の本来あるべき位置にバーコードを印刷しなかったせいで、流通に手間どったものとおもわれます。


ジャケット全体にわたる美しさをとったほうが、本も売れると思い切りました。

 

流通上、ひと手間おかけしますが、あしからずおゆるしください。

蔦屋書店のT-TRAVELでは、リガ旅行も手配できるそうです。
蔦屋書店のT-TRAVELでは、リガ旅行も手配できるそうです。

2012年

6月

18日

『リガ案内』出版記念レセプション@ラトビア大使館

さて、本日6/19(火)、『リガ案内』出版記念レセプションをラトビア共和国大使館でおこないます。

 

あいにくの台風により荒天が予想されますので、お帰りは、大使館から渋谷駅までタクシーに分乗していただくことを考えております。

 

 

大使館のスペースに限りがありまして、今回は書店・旅行関係者のみをご案内し、こぢんまりした雰囲気でおこないます。

 

7月にはもうひとつ、手づくりの、少し騒がしいイベントも企画しております。

また詳細をご案内したいとおもいます。

ラトビア共和国大使館にかかげられている国章。ライオンとグリフォンが共和国を守る。
ラトビア共和国大使館にかかげられている国章。ライオンとグリフォンが共和国を守る。

2012年

6月

18日

『リガ案内』が全国129書店で発売

こんにちは。

東京も、にわかに夏めいてきました。

 

 

さて、6月新刊の『リガ案内』について報告します。

 

さる6/13(水)に見本ができあがり、翌々の15(金)に初回700部を問屋に納入、早いところでは本日から書店の店頭をかざっています。

 

初回は、全国の129店にならびます。

 

例によって、取扱書店一覧をつくりましたので、お近くの書店で手にとってみていただければ幸いです。

 

 

制作と並行して、ラトビアの都リガの魅力を伝えるために、大使館や投資開発公社、政府観光局と意見を交換してきました。

 

そんな相談から生まれてきたのが、つぎのアイデアたち。

 

  1. 『リガ案内』連動ツアーの企画
  2. ラトビアのダフトパンク(!)の来日公演
  3. 国民的画家ヴィルヘルムス・プルヴィーティスの本邦紹介
  4. 東京ファッションウィークに合わせて、カフェをオープンする。

 

何らかのかたちで実現すべく、一つずつ進めていきたいとおもいます。

渋谷NHK放送センター内のBookCumu。6/24(日)22:00の「地球アゴラ」(NHK・BS1)でラトビアの歌と踊りの伝統がとりあげられます。
渋谷NHK放送センター内のBookCumu。6/24(日)22:00の「地球アゴラ」(NHK・BS1)でラトビアの歌と踊りの伝統がとりあげられます。

2012年

6月

05日

POPから作りはじめる

「文庫が決定版となる現状は、おかしい。」

 

と、ある流行作家が苦言を呈していました。

 

小説を例にとると、初版は四六判の単行本として発売され、3年後をめどに、文庫で出しなおされることが多いようです。

 

初版を出してみて、わかった誤字や脱字など3年分の蓄積が文庫に盛りこまれます。

さらに文庫には、しかるべき人物(けっこう豪華だったりします)による解説というおまけも付きます。

 

すなわち、文庫が決定版になるというわけです。

 

 

いきなり突飛なようですが、ここ数日、似たようなことを考えています。

 

本の制作においては、まず企画書があり、すべてはそこからスタートします。

順にならべてみると、つぎのような流れでしょうか。

 

企画書

 ↓

編集と制作

 ↓

本の完成

 ↓

POP作成

 ↓

発売 

 

企画書ではあいまいだったアイデアも、編集と制作のなかで磨かれて、最高の状態で、本というかたちに結実する。

 

ここまでは、いいんです。 

 

 

本の制作がひと段落すると、

 

さて、と気分を変えてPOP(読者の気をひくための掲示物)を作りはじめることになります。

 

すると、

 

「この文句いいな、帯に使えばよかった。」

「写真は、こっちもおもしろいな。」

 

など、新たな発想が浮かんでくる。

 

人は渦中にいるときより、仕事から手が離れたときにこそ、妙案を思いつくものなんですよね。

 

ただ、せっかくの妙案も、すでに時遅し。

もう印刷に入っていますから、本に盛りこむことはできません。

 

そして、POPが決定版となる。

 

 

そんなわけで、上記の流れを反転させて、企画書のつぎは、すぐPOPを作りはじめることにしました。

 

6月新刊は、『リガ案内』です。

 

POPとポスターは、もう印刷しています。

本は、いま印刷所と原稿をやりとりしているところです。

 

本を決定版とすべく、最後までねばっています。

2012年

5月

12日

大杉栄『獄中記』出版記念レセプション続報

おはようございます。

さて、ごあんないのレセプションが、あす日曜日にせまってきました。
18:30 に会場をオープンし、みなさまのおこしをお待ちします。



これまでに頂戴したお問い合わせから、5点ほど共有させていただきます。

1. 「友人も誘いたいのだけど」
大歓迎です。にぎやかな会にしたいので、ぜひお声がけをお願いします。

2. 「ドレスコードはあるの?」
週末の夜ですし、カジュアルにおこしいただければ幸いです。

3. 「仕事帰りで遅くなりそう」
23時まで騒いでいますので、ぜひ駆けつけてください。
大きな荷物があれば、クロークでお預かりします。

4. 「子連れもだいじょうぶ?」
だいじょうぶです。全面禁煙で、ソフトドリンクもございます。

5. 「食事はあるの?」
会場の《M》では、軽いつまみを用意しています。
近辺には、代官山T-SITE《蔦屋書店》や、先月開店した梨花さんのカフェ《ロザリー》などもございます。
出入り自由ですので、お腹がすいたらぜひご利用ください。



なお、見どころとしまして、20時台に、Pヴァインレコード創業者・日暮泰文さんの DJ 、坂口恭平さんの歌を予定しています。

ほかにも出版・音楽・ヘアサロンなど各界で活躍する当夜限りの DJ 陣が、にぎやかな音楽をならします。

また、大杉栄の実弟の子息で本書解説の大杉豊氏も、会場にかけつけてくれます。



毎日いろんなことがあって、大変な思いをされている方もあるかもしれませんが、この日曜は楽しい時間をご一緒でれきば幸いです。

準備をととのえ、心よりお待ちしています。

2012年

5月

09日

大杉栄『獄中記』出版記念レセプションのお知らせ

こんにちは、

 

さて、5/13(日)に大杉栄『獄中記』出版記念レセプションを準備しています。

 

レセプションといいながら、堅苦しいあいさつや式典は一切ありません。

 

月曜のことを思って憂鬱になりがちな日曜の夜に、にぎやかに集まり、音楽をきき、思い思いにすごせる会にしたいなと。

 

坂口恭平さんが大杉栄の《魔子よ魔子よ》を歌い、大杉豊さんが来場し、日暮泰文さんがブラックミュージックを鳴らしてくれます。

 

毎日いろいろなことがありますが、ぜひこの日曜は、代官山に足をお運びください。

 

追伸:

大人のTSUTAYAこと、蔦屋書店代官山店は深夜2時までの営業です。

併せてお立ち寄りになることをおすすめします。

2012年

5月

05日

千駄木・旧安田楠雄邸にお越しいただいた方へ

おはようございます。

東京は、気持ちよく晴れ渡っています。

 

 

さて、さる4/30(月・祝)に、大杉豊さんが語る「大杉栄の精神と行動」スライドトークを開催しました。

 

簡単にご報告します。

 

当日は、障子を取り払った大正建築の座敷に30名を越える方々が御座を組んでくれました。

 

千駄木にビバリーヒルズありといわれるのもうなずけるほど、じつに閑静な屋敷町の昼下がりのことです。

 

人間の声というものはこんなに響くものだったかと、改めて感心するほどの静けさに、新宿や渋谷にいるとき、ぼくたちがどれほど声を張り上げて話しているかを思い知ります。

 

大杉さんもあえてマイクを使わず、語ってくれました。

 

当日のようすは、オーソドックスエンターテイメントのKくんが映像に収めてくれましたので、近日なんらかのかたちでご覧いただけるようにします。

 

 

空がよく見える3階の部屋に移って以来、気分が空もように左右されがちです。

 

バース、掛布、岡田のクリーンナップトリオを擁した85年のタイガースですら2勝1敗なのだから、他人のすることに一喜一憂せず、自分だけは一人意気軒昂で行こうと心がけてきましたが、自然にはかないませんね。

2012年

4月

29日

郷田哲也さん放出シングル盤

こんにちは、

 

「不忍ブックストリート」のイベントがあす4/30(月・祝)に迫り、直前の準備をしています。

 

イベントは、

 

  • 12:00〜19:00 「出版社がやってくる」出張販売
  • 15:00〜16:00 大杉豊さんが語る「大杉栄の精神と行動」全40枚スライドトーク
  • 18:00〜19:00 2525稼業、明治・大正・昭和を歌う

 

という、3本立てです。

 

 

出張販売では一つ、目玉があります。

 

歌手の郷田哲也さんの私物シングル盤を即売することになりました。

 

郷田哲也さんといえば、グループサウンズ(GS)全盛期の歌番組「ジャポップス・トップ10」(テレビ東京系)の司会もつとめ、アイドルのような存在でしたから、胸をときめかせていた当時中高生の女性ファンも少なくないでしょう。

 

1967年には、サンフラワーズという自身のグループで「花のサンフランシスコ」を歌い、ホリプロ/ビクターの組み合わせで売り出されます。

 

両社が同時に売り出したのが、実力派 GS のモップスとダイナマイツ。

 

モップスはサイケデリック担当、ダイナマイツは R&B、そして郷田哲也とサンフラワーズは、フラワー・ムーヴメントの旗手という役割だったんですね。

 

 

値づけから、何を売るかまで、すべてお任せいただいたので、街場のレコード店の半額以下に設定するつもりです。

 

60年代と70年代のポップスが好きな方は、ぜひ掘り出しものを見つけにきてください。

郷田哲也さん放出シングル盤。
郷田哲也さん放出シングル盤。

2012年

4月

24日

坂口恭平さんが歌う《魔子よ魔子よ》続報

おはようございます。

東京は、気持ちのよい春の朝です。

 

* 

 

さて、いま静かに話題を呼んでいる、坂口恭平さんの歌《魔子よ魔子よ》が YouTube でみられるようになりました。

 

ひとごとのように書いていますが、「いつでも YouTube にアップしてくださーい。」と坂口さんからメッセージをもらい、いそいそと画像を付けて公開した次第です。

 

歌う坂口さんの姿は、残念ながら、みられません。

ファンの方にはあしからず。

 

動く坂口さんの姿は、6月公開の映画「モバイルハウスのつくりかた」を楽しみに待ちたいとおもいます。

 

 

前後の文脈などは気にせず、ともかく聴いてみてください。

 

2012年

4月

23日

タワーレコード渋谷店の大杉栄コーナーと、坂口恭平さんが歌う《魔子よ魔子よ》

こんにちは、

 

さて、タワーレコード渋谷店の7F、《タワーブックス》と呼びならわされる洋書フロアに、大杉栄特集コーナーが出現しました。

 

 

大杉栄と音楽というのは、あまり結びつけて考えられることなかった分野です。

YouTubeで「大杉栄」を調べても、めぼしい発見はないといえるでしょう。

 

 

大杉栄にちなんだ音楽を、筆者の見知った限りで挙げると、

 

  • 林光が『日本脱出記』に着想をえて作曲した、《パリ1923》。
  • 坂口恭平さんが歌う《魔子よ魔子よ》。

 

があります。

 

 

先日、坂口恭平さんが《魔子よ魔子よ》を初めて公に歌う現場に、筆者は幸運にも立ち会うことができました。

 

この歌については、説明するよりも、だまされたとおもって、ぜひとも聴いていただきたい。

 

坂口恭平さんらしい、あけっぴろげのよさで、だれもが勝手に聴くことのできる仕掛けになっています。

 

音を聴いてみたい方は、こちらのリンクをぜひチェックしてみてください。

タワーブックスに現れた大杉栄コーナー。
タワーブックスに現れた大杉栄コーナー。

2012年

4月

14日

『大杉栄自叙伝』のカバーを新調しました

お知らせです。

 

『大杉栄自叙伝』の、カバーを新調しました。

 

9月の初版から半年あまり、ようやく手に馴じんできたのに、なぜこのタイミングで、といぶかる向きもあるかもしれません。

 

この4月に『獄中記』が出て、大杉栄ペーパーバック版が全3巻完結をみましたから、これを記念して新装することにした次第です。

 

全3冊の背表紙がそろったときの見映えや、ゆるやかな統一感が出るよう工夫しました。

 

 

初版のカバーを気に入ってくれている方、なかには書店でお買い求めいただいた方もあるとおもいます。

 

大杉栄本人の手で、いかにもあっさりと書かれた「自叙傳」という文字を、天地いっぱいに墨一色で印刷したカバーは、簡潔そのもので、大杉栄の自由な気風を感じさせました。

 

 

書店では、これから徐々に、新しいカバーに代わっていきます。

初版のカバーに愛着もありますが、新装カバーも気に入っていただければ幸いです。

陸軍幼年学校入学時の14歳の大杉栄少年。この写真を撮影したのは、海部元首相のおじいさんだそうです。
陸軍幼年学校入学時の14歳の大杉栄少年。この写真を撮影したのは、海部元首相のおじいさんだそうです。

2012年

4月

11日

書店の『獄中記』(有楽町・銀座・神保町編)

こんばんは、

 

さて、各地の書店をぐるぐる歩きまわっていると、思わぬ出会いがあります。

 

 

昨日のことです。

 

神保町の三省堂書店から書泉グランデに向かう小道で、水原希子さんの撮影現場に出くわしました。

 

幅3メートルもない、狭い路地です。

 

すれちがいざまに水原さんが首をかしげて笑ってくれたのは、恐らく気のせいですが、まるで以前からずっとファンだったような、妙な気持ちになりました。

 

 

書店訪問の途中のことですから、先を急ぎます。

 

予定の書泉グランデ訪問を終え、つぎの書店に向かうべく靖国通りに出ると、ロケバスが目の前に停まっていました。

 

「水原さんに、ぜひ。」

 

スタッフとおぼしき女性に、いきなり本を手渡しました。

 

さしあげたのは、大杉栄の『自叙伝』です。

水原さんの手に届いたでしょうか。

 

 

1. 三省堂書店 有楽町店 日本思想売場

アイラインより少し低めの高さに平台のある、三省堂書店独特の棚。本を手にとりやすい。
アイラインより少し低めの高さに平台のある、三省堂書店独特の棚。本を手にとりやすい。

2. 教文館 和書部

『革命いまだ成らず』の近くで平積み。
『革命いまだ成らず』の近くで平積み。

3. ブックファースト 銀座コア店

松岡正剛さんの『千夜千冊』の読者に、『大杉栄自叙伝』をぜひおすすめしたい。
松岡正剛さんの『千夜千冊』の読者に、『大杉栄自叙伝』をぜひおすすめしたい。

4. 三省堂書店 神保町本店 4F 人文書売場

5. 書泉グランデ 3F 人文書売場

2012年

4月

08日

書店の『獄中記』(青山・後楽園・千駄木編)

こんにちは、

 

さて、ここ数日、特典のしおり挟み込みと納品とをかねて、書店をめぐり歩いています。

 

本日は、青山一丁目と後楽園、そして千駄木の書店をご紹介します。

 

1. 流水書房 青山一丁目店

日本におけるエスペランティストの先駆者、パリに遊んだ自由人として、大杉栄の諸作を展開。
日本におけるエスペランティストの先駆者、パリに遊んだ自由人として、大杉栄の諸作を展開。
「マビヨン通りへ」と題した発展読書フェアの一角と分かる。
「マビヨン通りへ」と題した発展読書フェアの一角と分かる。

2. あゆみBOOKS 小石川店 新刊台およびショーウィンドウ

『獄中記』の装丁は、以前この新刊台で見つけたシュテファン・ツヴァイク『人類の星の時間』に触発されている。書店には、いつも発見がある。
『獄中記』の装丁は、以前この新刊台で見つけたシュテファン・ツヴァイク『人類の星の時間』に触発されている。書店には、いつも発見がある。
ショーウィンドウを見て「大杉栄の本、ありますか」とお客さんが入ってくることがあったと聞き、うれしい。
ショーウィンドウを見て「大杉栄の本、ありますか」とお客さんが入ってくることがあったと聞き、うれしい。

3. 往来堂書店

読者と気持のよい間合いをもった幸福な書店。レジにならんだ女性客からは、「こんな本屋さんが、わたしの地元にも欲しいわ」という声が聞こえる。
読者と気持のよい間合いをもった幸福な書店。レジにならんだ女性客からは、「こんな本屋さんが、わたしの地元にも欲しいわ」という声が聞こえる。

2012年

4月

05日

『獄中記』が書店に(渋谷編)

さて、新刊『獄中記』が、各地の書店で展開されています。

 

まず渋谷の書店を8つ、写真とともにご紹介します。

 

 

写真をご覧いただく前に、書店という空間について、一つ引用させてください。

 

図書館や書店は、その空間自体が「読書する」なんですよ。/ゴシックの教会は「立体化された聖書」だと言われますよね。密教寺院は「読むマンダラ」ですよね。図書館も書店も、本来はそういうものです。(松岡正剛『多読術』より)

 

仕事や暮らしで、書店に通うゆとりを失い、本を読む習慣自体をあきらめている方もいるのではないでしょうか。

 

かくいう当ブログの筆者も、日常の雑事にかまけて、机にむかって本をひらくことなく、ベッドの上で数ページをめくるだけという日が増えています。

 

書店に通うことが読書のうちであるなら、書店に通うことを本業にしている自分は、なんとも恵まれています。

 

 

本をひらくような気持ちで、ぜひ書店に出かけてみてください。

 

◉大盛堂書店 渋谷駅前店 ノンフィクション

金正男、ホリエモン、大杉栄の文脈を、つい深読みしてしまいそう。
金正男、ホリエモン、大杉栄の文脈を、つい深読みしてしまいそう。

2. 文教堂書店 渋谷店 新刊台およびアナーキズム売場

堀江貴文『刑務所なう。』を立ち読みする若い男性に、「大杉栄もぜひ」と声をかけたい気持ちをこらえる。
堀江貴文『刑務所なう。』を立ち読みする若い男性に、「大杉栄もぜひ」と声をかけたい気持ちをこらえる。
文教堂書店渋谷店のアナーキズム関連書売場。
文教堂書店渋谷店のアナーキズム関連書売場。

3. タワーレコード 渋谷店 7階書籍売場

大杉栄3面陳の図。隣りにみえる、秦早穂子著『影の部分』に心引かれる。「多感な少女が、単身パリへ渡り、 27歳にして、ゴダールの傑作『勝手にしやがれ』日本公開にこぎつけるまで」のこと。
大杉栄3面陳の図。隣りにみえる、秦早穂子著『影の部分』に心引かれる。「多感な少女が、単身パリへ渡り、 27歳にして、ゴダールの傑作『勝手にしやがれ』日本公開にこぎつけるまで」のこと。

4. 啓文堂書店 渋谷店 新刊台

西郷南洲が無性に好きだった大杉栄が、大西郷の本の近くに陳列される図。
西郷南洲が無性に好きだった大杉栄が、大西郷の本の近くに陳列される図。

5. 紀伊國屋書店 渋谷店 文芸・ノンフィクション売場

同店では、政治思想や日本近代史ではなく、あえてノンフィクションの売場に展開。これが奏功、早速補充をいただく。
同店では、政治思想や日本近代史ではなく、あえてノンフィクションの売場に展開。これが奏功、早速補充をいただく。

6. MARUZEN&ジュンク堂書店 渋谷店 日本思想書売場

「図書館や書店は、その空間自体が「読書する」なんですよ。/ゴシックの教会は「立体化された聖書」だと言われますよね。密教寺院は「読むマンダラ」ですよね。図書館も書店も、本来はそういうものです。」(松岡正剛『多読術』より)。本屋に通うことを生業にする幸せ。
「図書館や書店は、その空間自体が「読書する」なんですよ。/ゴシックの教会は「立体化された聖書」だと言われますよね。密教寺院は「読むマンダラ」ですよね。図書館も書店も、本来はそういうものです。」(松岡正剛『多読術』より)。本屋に通うことを生業にする幸せ。

7. BookCumu NHK店 新刊台

業界紙『新文化』に、同店の森本革店長が連載中。神保町の古書店勤務から一転してアフリカ渡航。帰国後は、今も語り継がれる弘栄堂書店吉祥寺店のことや、昨年突然閉店した放文社のことなど。本をめぐって活動しようとする若い人に一読をすすめたい。
業界紙『新文化』に、同店の森本革店長が連載中。神保町の古書店勤務から一転してアフリカ渡航。帰国後は、今も語り継がれる弘栄堂書店吉祥寺店のことや、昨年突然閉店した放文社のことなど。本をめぐって活動しようとする若い人に一読をすすめたい。

8. リブロ 渋谷店 日本史売場

『日本脱出記』と『自叙伝』が見える。『獄中記』もこの日、納品しましたから、今ごろ店頭にならんでいるはず。
『日本脱出記』と『自叙伝』が見える。『獄中記』もこの日、納品しましたから、今ごろ店頭にならんでいるはず。

2012年

3月

29日

『日本脱出記』、amazon.co.jp で500部突破

いきなりうれしいお知らせです。

 

昨年4月発売の『日本脱出記』が、好評で、amazon 販売累計が500部を突破しました。

3/29現在、504部です。

 

amazon の業界シェアは約10%ともいわれますから、この数字をあてはめれば、『日本脱出記』は、全国で5,000部ほど売れていいことになります。

 

が、実際は全国でおよそ3,500部。

 

差し引き1,500部のギャップが販売促進の余地として残されているといえるかもしれません。

 

 

振り返ると、いいタイミングで書評が販売を後押ししてくれました。

 

  • 5月11日 『マイコミジャーナル』記事
  • 6月1日 ウェブマガジン「ハニカム」書評(川崎大助氏)
  • 6月21日 『週刊朝日』書評(中森明夫氏)
  • 7月1日 『本の雑誌』読者アンケート「私の上半期ベスト1」に選出
  • 7月10日 『救援』書評(亀田博氏)
  • 7月30日 NHK「週刊ブックレビュー」で放送(明川哲也氏)
  • 9月6日 『ダ・ヴィンチ』書評(華恵さん)
  • 9月17日 『図書新聞』書評(亀田博氏)
  • 9月24日 『朝日新聞』朝刊(三省堂書店・福澤いづみ氏、坂本哲史記者)
  • 11月1日  『Ovni オヴニー・パリの新聞』書評

 

この間、たっぷり一年をかけて、『自叙伝』を出し『獄中記』も出て、大杉栄ペーパーバック・シリーズは今春、全3巻完結を見ました。

 

息切れすることなく、コツコツと宣伝していきます。

2012年

3月

24日

旅の本屋BOOK246の「贈本市」に出店します

さて、4月にむけて、イベントの企画が3つ進んでいます。

一思いにお知らせしたいところですが、落ち着いて、順にご案内します。

 

 

まず一つ。

 

「本を贈ろう」として昨秋スタートした、旅の本屋BOOK246の「贈本市」に出店することになりました。

 

BOOK246「贈本市」vol.2

  • 日時 2012年4月15日(日)11:00〜17:00 ※雨天中止
  • 会場 旅の本屋BOOK246 店頭スペース 東京都港区南青山1-2-6
  • 参加社 赤々舎/青幻舎/エクスナレッジ/羽鳥書店/A-works/日経BP/ナショナルジオグラフィック/港の人/LD&K/ritokei/Bueno! Books/ecocolo/リトルモア/スペースシャワーネットワーク/PIE International , PIE BOOKS/土曜社
  • お問い合わせ 旅の本屋BOOK246 03-5771-6899

 

当日は、弊社全点(といっても3点ですが)を取り揃えます。

ぜひ青山一丁目の旅の本屋BOOK246にお出かけください。  

 

 

ここで少し、本を贈ることについて、個人的な思い出を記すことをおゆるしください。

 

葉山の病院で手術をうけることになった友人に、見舞いの本をもっていったことがありました。一昨年秋のことです。

 

すると、彼はその本を、10年前にも自分から受け取ったというんです。

 

親友に本をあげたことを忘れている自分もいいかげんですが、彼も彼で、確かに受け取ったけれども、以来一度もひらいてない、いい機会だ、この際あらためて読んでみようということに落ち着きました。

 

その本は、大江健三郎『日常生活の冒険』。1961年の文藝春秋刊です。

 

20代の若気で、贈るというより、押しつけがましく親友たちに配っていたことが思い出されます。

 

 

逆に、もらった本を思い出してみます。

 

  1. 『伊丹十三記念館ガイドブック』
  2. 角田房子『責任 ラバウルの将軍今村均』
  3. 三角しづ『日影茶屋物語』
  4. リチャード・ワイズマン『運のいい人、悪い人』
  5. アンディ・ウォーホル『ポッピズム』

 

こうしてみると、いろいろ思い出が甦ります。

 

本は手触りがあり、紙の匂いがあり、内容もある。さらに国際規格のナンバリングもあり、記憶が容易ですから、贈りものとしてふさわしいですね。

本を贈る、もらう、売る。
本を贈る、もらう、売る。

もらった本について追記:

 

1)は、フィルムアート社に勤める友人の松山出張みやげでした。《旅の本屋BOOK246》でも手に入るもようです。おみやげ本というジャンルを確立して、いつか道の駅で売ってみたい。


2)は、新潟は新発田のSさんから。大杉栄の新発田高校の2年後輩に、のちの陸軍大将今村均がいることを教わり、おまけに評伝まで頂戴してしまった。

 

3)は、四角関係のもつれで大杉栄が女性に刺された葉山の旅館・日蔭茶屋の女将さんから頂戴した。三角しづさんについて、いま瀬戸内寂聴さんが新聞連載「この道」で書きあらわしているので、チェックしてみてください。

 

4)は、ある社長に起業することを報告した際、何かあげようと、読みさしのこの本を、その場でブックカバーをはがして下さったもの。

 

5)は、ブルース・インターアクションズ(現スペースシャワーネットワーク)を退職するとき、職場の先輩から、はなむけとしてもらったもの。実は自分でもおなじ本を持っていましたが、黙って頂戴し、持っていた一冊は売ってしまいました。先輩は、そのことを知るよしもありません。

2012年

3月

23日

大杉栄『獄中記』の拡材3つ

おはようございます。

 

さて、大杉栄『獄中記』が書店に並び始めました。

 

4月発売を予定しながら、待ちきれずに出荷しましたから、本も見るからに出来たてほやほやです。

 

特にカバーには、コシの強い高級印刷用紙《特種東海製紙ゴールデンアロー》を使っていまして、最初、なじまない感じがあるかもしれません。

 

めくったり、つかんだり、持ち運んだりしているうちに、手になじんでくる過程をも楽しんでいただければ幸いです。

 

 

『獄中記』では、3つの拡販ツール(拡材と言い習わしています)を準備しました。

 

特にしおりは、読者プレゼントとしてもいけるぞと、デザイナーと2人、その出来ばえに満足している品です。

 

なかなか全国に手が回らないところがありますが、書店店頭で手に入りますので、大杉マニアの方は、ぜひチェックしてみてください。

 

確実に手に入れたいという方には、お手数ですが、弊社までお問い合わせをお願いします。

ご近所の入手先をお知らせするようにします。

名古屋陸軍幼年学校のころの、利発そうな大杉栄少年と、1923年のパリ行きから帰国した神戸で撮影された、フランス仕立らしい白いスーツの大杉。
名古屋陸軍幼年学校のころの、利発そうな大杉栄少年と、1923年のパリ行きから帰国した神戸で撮影された、フランス仕立らしい白いスーツの大杉。
これがPOP。うらおもての両面印刷で、経済的です。
これがPOP。うらおもての両面印刷で、経済的です。
この数日、ポスターの大杉を眺めながら、しみじみとご飯をたべています。
この数日、ポスターの大杉を眺めながら、しみじみとご飯をたべています。

2012年

3月

20日

本物は絵よりいっそう危険だぜ

こんにちは、

春分の日の午後を、いかがおすごしでしょう。

 

さて、大杉栄『獄中記』ができあがりました。

 

4月新刊と、かねて予告してきましたが、

 

  1. 2月21日に出た『KAWADE道の手帖 大杉栄』(河出書房新社)が人気なこと。
  2. 東京新聞や西日本新聞はじめ各紙で連載中の、瀬戸内寂聴さん「この道」で大杉栄が活躍していること。

 

そんなことから、絶好のタイミングを逃す手はないと、予定を早めて出荷することにしました。待ちきれず、というわけです。

 

 

本のすがたは、ぜひ下記の写真をご覧ください。

『日本脱出記』『自叙伝』とおなじ、掌におさまる、ペーパーバック判です。

 

 

期せずして、いつも新刊の発売が、米アップル社の新製品発売のタイミングとぶつかるような気がしてなりません。

 

新 iPad の宣伝コピーは、「目に見えて革命的」というそうです。

 

『獄中記』の装画には、秩序を紊乱すると警視庁の介入があり二科展から撤去された、危険な油絵《出獄の日のO氏》をあしらいました。

 

警察がピリピリするのも分からないでもありませんが、革命家が額縁から出てきて、革命を巻き起こすとでもいうのでしょうか。

 

自分の肖像が撤去された《O氏》こと大杉栄は、東京日日新聞の取材に対し、つぎのように談話しています。

 

「本物は絵よりいっそう危険だぜ。これも撤回かい。僕は二科で日当を出せば、毎日でもここに立っているよ。」

 

新刊『獄中記』が書店店頭から撤去されることのないよう、この春分の日に、慌てて書店にむけてあいさつの手紙をつくっております。

大杉栄『獄中記』。「本物は絵よりいっそう危険だぜ。」(大杉栄)
大杉栄『獄中記』。「本物は絵よりいっそう危険だぜ。」(大杉栄)
『獄中記』を裏から見る。若き大杉栄の貴重写真が見えるでしょうか。
『獄中記』を裏から見る。若き大杉栄の貴重写真が見えるでしょうか。

2012年

3月

09日

くたくたになるまで、やり切ろう

こんにちは。

 

さて、4月新刊の大杉栄著『獄中記』について、続報させてください。

 

すでに本づくりは山を越えまして、原稿は全部、印刷所に預けてしまいました。

来週から印刷、そして製本に入ります。

 

 

「くたくたになるまで、やり切ろう。」

 

デザインを担当するS君と、最初に言い交わしたものでした。

 

そして言葉のとおり、最後の最後まで悪あがきをしたにもかかわらず、いざ手を離れてしまうと寂しい。

 

まだ 9ラウンドは戦えるのに——という往生際の悪さです。

 

 

そんなときにうれしいのが、書店から届く事前予約の注文です。

 

まだ見ぬ新刊を、著者の名前やタイトルを頼りに、勘を働かせて「2冊」「5冊」と注文を出してくれる書店がある——。

 

北海道から沖縄まで、144の書店が『獄中記』を取り扱い予定です。

 

トンネルの先に書店のまばゆい販売現場が待っていると思えばこそ、制作上あれもこれもと欲張ってしまうのかもしれません。

2012年

2月

25日

49の書店さん、ご注文、しかと承りました

おはようございます。

土曜の朝、東京は雨です。

 

 

さて、4月新刊『獄中記』の続報です。

 

さきの水曜日に、新刊案内を各地の得意先あてに発信し、少しずつ注文が返ってきています。

 

けさの時点で、49店238冊の受注です。

 

どの町の、どの書店で手に入るのか。

『獄中記』取扱書店一覧でご確認いただければ幸いです。

 

 

本をもとめる読者の便宜になればと、この一覧を公開しています。

書店への受注確認の代わりにもなれば、という思いもこめています。

 

本をめぐる業界では、受発注は今なお Fax が主流です。

 

書店からの注文を Fax で受け付けながら、版元は、それに対して返信すらせずに済ませることが多いのが現実です。

 

本の安価さと通信コストとを勘案すれば、やむをえない面もあるのですが、納期すら返事をしないというのは、普通の商慣行に照らせばずいぶん横着なことで、気がとがめます。

 

「49の書店さん、『獄中記』の注文、しかと承りました。4/2(月)に喜んで満数出荷いたします。」

 

というわけで、業務連絡めいたご案内でした。

 

(業務連絡のような追伸)

問屋の JRC を経由するご注文は、少し時間差がありますが、追っ付け一覧に加えていきます。

2012年

2月

22日

大杉栄論集が河出書房新社から出ました

おはようございます。

 

4月新刊『獄中記』の準備を進めています。

 

『日本脱出記』『自叙傳』に続き装丁を担当する年若のS君と合宿し、「くたくたになるまでやり切ろう」と言い合っています。

 

 

さて、河出書房新社から昨日、『大杉栄 日本で最も自由だった男』が全国発売されました。

 

もくじは、同社ウェブサイトに掲載されています。

 

これで弊社既刊の注文も増えるといいが、と思っていた矢先に、早稲田の書店から早速注文がありました。

 

 

河出版と平仄をあわせ、本日、書店あて『獄中記』新刊案内を発信します。

『大杉栄 日本で最も自由だった男』(河出書房新社)。表紙の大杉がどこか憂いをたたえる。日本脱出で使われた中国人にふんする変名旅券の写真。
『大杉栄 日本で最も自由だった男』(河出書房新社)。写真は、日本脱出で使われた中国人にふんする変名旅券のもの。表紙の大杉がどこか憂いをたたえる。

2012年

2月

21日

瀬戸内寂聴さん新聞連載に、大杉栄登場

さて、大杉栄をめぐるニュースです。

 

『美は乱調にあり』『諧調は偽りなり』の諸作で大杉栄を取り上げている作家の瀬戸内寂聴さんが、「この道」と題した新聞連載をはじめています。

 

掲載は、「東京新聞」夕刊や「西日本新聞」朝刊です。

(ほかに、中日新聞はじめ各地のブロック紙で連載されているものとおもわれます。)

 

西日本新聞社によると、「田村俊子、岡本かの子、伊藤野枝たちを振り返りながら、作家として尼僧として活躍してきた自らの来し方、さらには現代の女性たちの生き方を見つめます」とのこと。

 

もちろん大杉も、生き生きと登場します。

たとえば、こんな具合です。

 

長身で堂々とした体つきは男らしい精力がみなぎっていると見えるし、すべての造作の大きな彫りの深い顔は、どことなくエキゾチックで、殊に大きな目は情感がこもり、それが女にむけられると、甘い情緒をたたえ、その視線の熱さだけで、見つめられた女はたいてい大杉に従ってくる。(瀬戸内寂聴「この道」)

 

連載はすでに70回を越え、伊藤野枝と大杉とがのっぴきならない出会いを果たしたところです。

瀬戸内寂聴さんの筆で描かれる二人のゆくえを、ぜひ読んでみてください。

 

 

うかつながら、この連載のことをまったく知りませんでした。

エッセイストのIさんから昨日連絡があり、慌てて図書館の資料をさかのぼった次第です。

2012年

2月

01日

大杉栄がスクリーンに登場!

おはようございます。

 

さて、大杉栄の映画が上映されるそうです。

 

  • 吉田喜重監督『エロス+虐殺』
  • 日時 2012年2月4日(土)15:10上映 18:00吉田喜重監督トーク
  • 会場 渋谷ユーロスペース

 

『エロス+虐殺』
1970年/日本/167分
監督:吉田喜重/脚本:山田正弘、吉田喜重/撮影:長谷川元吉/音楽:一柳慧/出演:岡田茉莉子、細川俊之、高橋悦史、楠侑子、稲野和子、八木昌子
大逆事件の死刑を免れた大杉栄と伊藤野枝をめぐるエロスと虐殺が描かれる。1960年代と1910代が錯綜しながら、国家とは何か、恋愛とは何かが、美的映像で描かれる。(ユーロスペース公式ウェブサイトより)

 

当ブログの筆者も、フィルムでみるのは、はじめてです。

 

予告編を YouTube からお届けします。

ぜひチェックしてみてください。

 

追伸、

当日『日本脱出記』『自叙傳』を販売することになりました。

劇場で、お目にかかれれば幸いです。

2012年

1月

27日

大杉栄『獄中記』の情報を流布する

こんにちは、土曜社です。

 

さて、4月発売をめがけて、大杉栄の『獄中記』を準備しています。

 

知られなければ、はじまらない——。

情報を各方面に流すべく努めています。

 

まず書協Booksとアマゾン、さらにトーハン『これから出る本』や業界紙『新文化』、グーグルなどにも知らせていきます。

 

また、時機をみて、プレスリリースと書店むけの新刊案内を出すことになります。

ここは単なるデータではなく、意図をこめるところなので、いろいろ工夫しがいがあります。

 

当サイトにも、『獄中記』の専用ページをつくりました。

 

さぼらず更新しますので、「おっ、やってるな」と、チェックしていただければ幸いです。

春陽堂版『獄中記』の扉。挿絵と装丁を画家の林倭衛が担当。パリで大杉と遊びまわった『日本脱出記』の「S」その人です。
春陽堂版『獄中記』の扉。挿絵と装丁を画家の林倭衛が担当。パリで大杉と遊びまわった『日本脱出記』の「S」その人です。

2012年

1月

17日

1月17日、大杉栄の誕生日

こんにちは、

 

さて、きょう1月17日は、大杉栄の誕生日です。

 

 父は少尉になるとまもなく母と結婚して、丸亀の連隊へやられた。そしてそこで僕が生まれた。町の名も番地も知らない。戸籍には明治十八年五月十七日生とあるが、実際は一月十七日だそうだ。当時尉官はほとんど結婚を禁ぜられていたようなもので、結婚すると三〇〇円の保証金を納めなければならなかった。父はそれができないで、母の妊娠が確定するまで結婚届が出せなかったのだそうだ。そしてそれと順送りに僕の出生届も遅れたのだそうだ。(大杉栄著『自叙傳』より)

 

みなさん、よい一日を。

2012年

1月

14日

河出書房新社から、大杉栄の特集が!

こんばんは、

 

 

当ブログの更新が、間遠になりがちです。

 

ちょうどいま、春の新刊『獄中記』の制作にとりかかり、地道な作業にはまりこんでおります。

 

本ができ、宣伝する段では、

 

「書評が出ましたー。」

「ぜひイヴェントにお越しください。」

 

と、晴れやかな報告もできるのですが、机にむかう日々は、話題も不足しがちです。

 

しばらく鳴りをひそめてしまいますこと、どうかおゆるしください。

 

 

さて、河出書房新社から、うれしいニュースが届きました。

 

2月下旬の発売をめがけて、大杉栄をめぐる特集本を制作中のこと。

執筆陣をながめるだけで、早く読みたい。

 

  • 特別対談:鎌田慧×中森明夫
  • ロングインタヴュー:加藤登紀子/大杉豊
  • 論考・エッセイ:雨宮処凛/ECD/角岡伸彦/佐野眞一/鈴木邦男/瀬戸内寂聴/武田徹/宮崎学ほか

 

これまで竹中労、マクルーハン、鶴見俊輔、小林多喜二、埴谷雄高などをとりあげてきた、「KAWADE道の手帖」の一冊になるそうです。

 

すでに、河出書房新社のウェブサイトで予告されています。

ぜひチェックしてみてください。

 

 

宣伝めいて恐縮ですが、当ブログの筆者も、「大杉栄のずるい本屋」なる題のもと、短い文章をよせております。

 

さらに詳細が分かりしだい、続報させてください。

2012年

1月

04日

名古屋の書店をめぐる

こんばんは。

 

さて、きょうは名古屋の書店をめぐり歩きました。

 

新年早々ということで、遠慮がちにうかがったのですが、各書店で温かく迎えてくださいました。

 

 

名古屋といえば、大杉栄にも縁浅からぬ地。 

 

大杉家の先祖は、織田信長の家臣団につらなり、のち土着し、いまの津島市で庄屋をしていたそうです。

 

また大杉は、父の陸軍勤務にともない越後新発田で成長しますが、未来の陸軍元帥をこころざし、その本籍地である名古屋陸軍幼年学校にすすみます。

 

くだって大杉事件(いわゆる甘粕事件)でまき添えをくった甥の橘宗一少年は、ひっそりと名古屋中心部の覚王山日泰寺に葬られ、いまも9月16日の命日には鎮魂祭がとりおこなわれるそうです。

 

* 

 

そんなわけで、名古屋では、心なしか大杉栄の本の売れ行きも好調です。

ウニタ書店へ続く階段。
ウニタ書店へ続く階段。
ウニタ書店の棚。人文書に特化している。
ウニタ書店の棚。人文書に特化している。
ちくさ正文館の玄関。高い窓から光がさしこみ、気持ちよい。
ちくさ正文館の玄関。高い窓から光がさしこみ、気持ちよい。
ちくさ正文館の棚。なぜか頭が整理される気がする。そのすごさの一端は、石橋毅史著『「本屋」は死なない』に詳しい。
ちくさ正文館の棚。なぜか頭が整理される気がする。そのすごさの一端は、石橋毅史著『「本屋」は死なない』に詳しい。
ジュンク堂書店名古屋ロフト店。幸徳秋水と大杉栄と大川周明。
ジュンク堂書店名古屋ロフト店。幸徳秋水と大杉栄と大川周明。

2012年

1月

01日

ことしの3冊

あけましておめでとうございます。

 

 

さて、まっさらな2012年がはじまりました。

 

ことしは、「本をつくり、知らしめ、売る」という出版の工程を、あらためて新鮮に取り組む年にしたいです。

 

これができる、あれもしたいと、わくわく意欲がわいています。

 

「本ができました——。」

 

うれしい報告ができるよう、精進するつもりです。

 

 

ことしのラインナップを予告させてください。

 

  • 4月 大杉栄著、大杉豊解説:『獄中記』
  • 6月 アルタ・タバカ編:『リガ裏ガイド(仮)』
  • 秋 『モードの歴史(仮)』

 

年に3冊という、かねて計画していた巡航速度に達したいとおもいます。

 

 

昨年は『日本脱出記』と『自叙傳』の2冊に集中し、ようやくペースをつかみました。

 

ただ、半年に1冊のペースでゆっくり進むうちに、その間、他社の出版物をよく見知ることになり、受け身に立ちがちでした。

 

おなじ轍を踏まないよう——、

東郷平八郎の言葉をかりることをおゆるしください。

 

東郷は、言います。

 

「海戦というものは敵にあたえている被害がわからない。味方の被害ばかりわかるからいつも自分のほうが負けているような感じをうける。敵は味方以上に辛がっているのだ。」 (司馬遼太郎著『坂の上の雲』より)

 

出版業に置きかえると、こうなります。

 

「出版というものは読者にもたらしている満足がわからない。本の返品ばかりわかるからいつも自分の本が売れないような感じをうける。読者は出し手の悩みと関係なく面白がっているのだ。」

 

ムシのいい捉え方で、ことしも本をめぐって活動していきます。

土曜社 doyosha [at] gmail.com